これまでのコラムは書籍『7つの習慣』をもとに具体的事例を交えながらご紹介しました。
これからは7つの習慣研修シリーズのひとつ「リーダーの4つの役割」研修をベースに、数回に分けてリーダーに必要な原理原則を皆さんにご紹介します。
『7つの習慣』コラムの第六回 【第二の習慣「目的を持って始める」―リーダーシップ編―】 では、マネジメントとリーダーシップについて触れました。そしてリーダーシップが取れてこそ、マネジメントが活きてくるともご紹介しました。
では、そのリーダーシップって具体的にはどういうことでしょうか。
その答えが、『7つの習慣』シリーズの「リーダーの4つの役割」研修に用意されています。
−役割その1−
【方向性を示す】
うっそうと樹林が茂っているジャングルの中、あなたのチームは道に迷ってしまいました。そこでリーダーであるあなたは何をするか!冷静に周囲を見渡します。そして一番高い木を探し天辺に上ります。360度周囲を見渡し、進むべき道を特定します。つまり方向性を明確にメンバーに指し示すことです。
それは我々の組織が存在する意義は何か、その組織目的を明確にし、ビジョンを掲げることがリーダーとしての第一番目の役割です。
−役割その2−
【組織を整える】
方向性が明確になっても、ジャングルの中は木々が生い茂り、思うように前進できません。そこでリーダーは道を整備しなければなりません。下草を刈り取り、道を切り開き、チーム員が歩き易いように環境を整える必要があります。
それは組織目的が達成しやすいように、システムを作り上げたり、的確な人員配置を行ったり、組織構造や仕組みを作り上げることが第二番目の役割です。
−役割その3−
【エンパワーメントを進める】
方向性を示し道を整えた後・・・「さあ、皆でこのジャングルを進んで行こう!」と声高に叫んだとしても、チーム員にも主体的に動いてもらわなければなりません。そのためにはチーム員が自ら動けるように権限を与えなければなりません。
それが第三番目の役割、エンパワーメント(権限委譲あるいは任用)です。
管理統制のマネジメントでは、チーム員はいちいちリーダーに質問してきます。「リーダー、私は次に何をしたらいいのでしょうか?」と・・・。指示命令がなければ動かないチーム員を抱えていたら、組織の動きは鈍くなり、環境変化に対応できなくなります。
−役割その4−
【模範となる】
リーダーの最後の役割は「模範となる」です。
これまでの3つの役割を実践することで、ほぼ前に進む体制は出来上がりました。
そこでリーダーは「よし皆であの光に向かって進もう!」と号令をかけます。立派なスローガンを掲げ、後は進むのみです!
しかし・・・、しばらく行ってふと後ろを振り返ってみた時、メンバーはちゃんと着いてきているでしょうか?あなたを信頼して・・・。
リーダーの最後の役割は、「模範を示す」ことです。模範を示し、信頼されるリーダーとなることです。
●言っている事とやっていることが全く違うリーダーをあなたは信頼できますか?
●部下を気遣うことなく、自分勝手なリーダーを信頼できますか?
●責任を取らないリーダーを信頼できますか?
周囲から信頼されているリーダーのもとで働いているメンバーはこう言うでしょう。
●「この人についていけば間違いない」
●「この人と一緒に働きたい」
●「この人の力になりたい」などなど、
そしてメンバーたちの主体性は自ずと育まれていくことでしょう。
そして組織として偉大な力を発揮できるでしょう。
次回はそれぞれの役割をさらに考察したいと思います。
-------この内容は、フランクリン・コヴィー・ジャパン「7つの習慣」トレーニングプログラムに基づいて表現しています-------