千臨技会誌 2006 No.2 通巻97 |
講 義 | 腸チフスおよびパラチフスの 診定における問題点 |
千葉県衛生研究所 依田 清江 |
資 料 | 当院におけるマラリア感染3症例について |
成田赤十字病院 大谷 寿雄 |
施設訪問 | 浦安市市川市病院組合 浦安市川市民病院 |
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講 義 |
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腸チフスおよびパラチフスの診定における問題点 |
千葉県衛生研究所 依 田 清 江 |
はじめに 1.腸チフス・パラチフスの発生状況 図2にS. Paratyphi A 76株の由来別検出状況を示す。全体の傾向はS. Typhiの分離状況と同様であるが分離数はさらに少なく0〜3株/年程度である。しかし、時に小規模ながら流行や集団発生が起こることがある。1993年から1998年にかけての流行・集団発生例は分離菌の遺伝子解析の結果、一人の保菌者から伝播したことが推定された。 2.腸チフス・パラチフスの症状・徴候の変化 3.菌の検出における問題点 4.菌の同定における問題点 以上のことから、S. TyphiおよびS. Paratyphi Aに関する限りCRYSTAL(E/NF)はかなりの割合で誤同定するのではないかと危惧される。 おわりに |
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資 料 |
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当院におけるマラリア感染3症例について |
成田赤十字病院 大 谷 寿 雄 |
はじめに マラリアは、発熱、貧血、脾腫を主徴とし、しばしば重篤あるいは致命的な合併症を伴う重要な疾患である。病原体は、胞子虫類に属するプラスモジウム(Plasmodium)で、ヒトに寄生するものとして、 1)三日熱マラリア原虫 2)四日熱マラリア原虫 3)熱帯熱マラリア原虫 4)卵型マラリア原虫 の4種あり、ハマダラカによって伝播される。マラリアは熱帯・亜熱帯地域で広く発生しており、全世界で年間3〜5億人の患者、150〜270万人の死者が報告されている。(厚生・労働省国民衛生の動向2005より)近年、日本は国際化が進み、海外との交流が盛んになり、日本人海外渡航者、来日外国人が増加している。それに伴い輸入マラリアの増加が問題なつている。当院で、海外渡航者から、輸入マラリア3例を経験したので、報告する。 検査法
症例1 症例2 症例3
まとめ @ 臨床側からマラリアを疑う症例であるとの情報が必要。 A ギムザ染色:緩衝液pH7.2-7.4(中性)。 B 熱帯熱マラリアは治療が遅れると死亡率の高い疾患である。 C 熱帯熱かそれ以外かを至急に鑑別することが必要。 |
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施設訪問 |
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浦安市市川市病院組合 浦安市川市民病院 |