設問 8 |
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社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生後16日の未熟男児、脳室内出血による内圧亢進の治療として 脳室ドレナージによって採取された髄液である。(写真1) 矢印で示す@、Aの細胞を判定してください。(写真2) |
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写真 1 | 写真 2 サムソン染色 400倍 |
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正解 @組織球 A赤芽球 |
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解説:脳室内出血が生じて髄液循環障害が起こり、脳室内圧が亢進し水頭症となり治療のため脳室ドレナージによって採取された髄液である。 新生児の脳室内出血は血管壁が未発達な28週以下の早産、極低出生体重児に起こりやすく、正期産児でも生じることがある。 設問の写真に示したように、血性髄液として提出され、計算盤上では、大型で赤血球やヘモジテリンを貪食している組織球を散在に認める。この貪食像が髄腔内での出血性変化を表している。 写真3は組織球の鉄染色像でヘモジテリンが青く染められている。 設問で示した小さい細胞は、末梢血由来の赤芽球で、新生児の末梢血には赤芽球が多く存在し出血により髄液に混入したことを意味している。この赤芽球はリンパ球と類似した形態を示し、背景に出現した多数の赤血球所見と、その赤血球と同色もしくは多染性の細胞質をギムザ染色で確認すれば鑑別可能である。(写真4) また血性髄液と採取時の血液混入の鑑別がよく問題となるが、組織球の貪食所見と、採取髄液の遠心上清がキサントクロミーであれば血性髄液、組織球の出現が無く、遠心上清が透明であれば血液混入を考えるとよい。 |
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写真 3 鉄染色 1000倍 | 写真 4 ギムザ染色 400倍 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
解説:久代 真也(社会保険船橋中央病院) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
解説の追加
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