7つの習慣研修では、自分自身の人生の路をどのように方向付けして、何を大切にして生きていきたいのか、第二の習慣「目的を持って始める」でじっくり考えます。自分の将来の在りたい姿が曖昧なまま、出来事に流された日々を送った先の人生はどうなってしまうでしょうか?おそらく、満足のいく結果を手に入れることはできないでしょうね・・・。
自分の人生だからこそ、主体的に生を活かし、幸せだったと大きな声で言える人生を歩んで生きたいですよね。
【方向性を示す意義】
組織においても同じことが言えます。リーダーは、自組織がどの方向に向かって進めばいいのか、目的や目標を明確に定めて組織を引っ張っていかなければなりません。その進むべき方向が明確になっていれば、チームメンバーも迷うことがありません。全員が同じ方向を向き主体的に動くことで、組織は最大限のパフォーマンスを発揮することができます。
仮に、方向性が曖昧な組織はどうなるのでしょうか?そこで働く人々は自分の価値観で勝手に活動し、個人主義に走ることでしょう。ましてや人事制度に成果主義を導入したりすると、他人を負かして自分が勝たなければいけない、という心理が働きかねません。するとますます組織の一体感は薄れ、組織全体で最大限のパフォーマンスを上げることは難しくなるばかりです。
組織をまとめる第一のステップ
「方向性を示す」
@ 私たちの大切な人々(利害関係者)を特定する。
A その人々の立場になって、その人々のニーズを把握する。
B 自分たちの組織の存在意義、大切にしたい行動指針を明らかにする。
C 自分たちの組織のビジョンを明確にする。中長期的な具体的な目標を定める。
D 利害関係者のニーズと自分たちの組織ビジョンを繋ぎ合わせる。
E これらを組織全体で共有する。
以上が方向性を示すためのステップです。
仮に、上記@Aの利害関係者のニーズや要望を無視して、自分達のサービスを無理矢理に押し付けていたらどうなるでしょうか?
自分達の利益ばかり追求する「Win―Lose」の関係です。
あるいは、利害関係者のニーズや要望に振り回されて、常に判断基準がぶれていたらどうなってしまうでしょうか?
その結末は自分たちが犠牲になる「Lose―Win」の関係です。
だからこそ、Bでは自分たちが大切にしたいもの(使命や組織ミッション)を明確に定義し、具体的な将来ビジョンを掲げる必要があります(C)。
そしてDは@AとBCを繋ぎ、実際に組織活動をするための戦略策定です。具体的な結果を生み出す活動を明確化する作業です。
ここまでのステップがリーダーの4つの役割の最初の役割「方向性を示す」です。
しかし、リーダー一人がこれらを理解しても、チームメンバーの見ている方向がバラバラな状態だと、組織は回らず最大のパフォーマンスを上げることは困難です。
そこで大切なのは、これらのステップはメンバーと共に考え、お互いに共有することです。
参加無ければ決意なし」という言葉がありますが、まさにその通りですね。
他人が決めた事柄は、なかなか自分事として捉えるのは難しいものです。気持ちのどこかには“人から与えられたもの、会社が上司が勝手に決めたもの”と思ってしまいがちで、主体者になれないメンバーもいることでしょう。
リーダーはメンバーを巻き込む力も必要のようですね。
(最近では、リーダーといわれる人々の中には、組織長でありながらもプレーヤーの役割を担っている人も多くなっています。一人で何でもこなさなければならないそのような人々を「多重責務者」と言ったりします。
そのような方々にもお勧めできるのが「リーダーの4つの役割」研修かもしれません・・・)
次回は戦略を具体的に遂行するためのプロセスに触れます。