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もともとすべきでなかったことを、能率・効率よく行なうことほど、無駄なことはない。
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ピーター・ドラッカー
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書店にはありとあらゆるリーダーシップやマネジメントをテーマにしたビジネス書が溢れています。それらは内容も様々で概念的なものから、より具体的なスキルやテクニックを解説したものまで、様々な切り口で解説されています。
『7つの習慣』は、こういった類の書籍ではありませんが、第二の習慣「目的を持って始める」でもリーダーシップとマネジメントについて触れています。
【第一の創造はリーダーシップ】
前回のミッションステートメント編では、物は二度作られるとご紹介しました。最初に作られるのは、頭の中。最終的な姿を知的レベルで描くことが第一の創造=知的創造です。
組織運営でも同じことが言えます。組織の在るべき姿を描き、それを手に入れるために戦略を考え、ビジョンや最終ゴールを明確にする知的創造は、組織運営の上で重要なリーダーシップ機能です。
【第二の創造はマネジメント】
進むべき方向が定まった後、具体的に形にすることが第二の創造=物的創造です。物的創造を進める上では能率や効率にも目を向けたプロセス管理など、マネジメントも必要になります。さらにチーム員一人一人が組織目的を理解し、主体的に動けるようにシステムを整えることも重要な鍵です。
仮に第一の創造で方向性を示さなかったり、戦略を明確にしないまま、第二の創造に走ってしまったら最終結果はどうなってしまうでしょうか?それは単に能率・効率よく作業を進め、限りなく早く、間違ったところにたどり着いてしまうだけです。どんなにたくさんの結果を生み出したところで、それらには何の価値も無いのです。
ある米国人コンサルタントがこのように言っていました。「ニッポンの組織は、マネジメントのし過ぎ、リーダーシップのなさ過ぎ」と・・・。ちょっと、耳の痛い発言です。
マネジメントが悪いわけではありません。マネジメントも組織において、より早くより良い結果を生み出すためには必要不可欠な役割機能です。でもマネジメントが生きてくるのは、正しいリーダーシップがとれた上で、のことなのです。
ジャック・ウェルチは「マネジメントはそれなりに大事だが、勝負はリーダーシップにある」と言っています。確かにそうですねリーダーシップが先、マネジメントはその後、と言うことです。
【マネジメントは上手く回っていた企業】
世間では消費者からの信頼を失う企業の不祥事が多発しています。おそらく、その事件が発覚するまではマネジメントそのものは上手く回っていたのかもしれません。少し前ですが○○食品の組織ぐるみの事件はどうでしょうか?段ボールの中身を偽るためのラベルの張替え作業は、現場では能率・効率よく作業が進んでいたことでしょう。マネジメントには問題はなかったようです。でもその前のリーダーシップに決定的な問題があったのです。
【真のリーダーとは?】
明確なビジョンを掲げ戦略や方向性を指し示すのがリーダーの役割です。そして・・・
「元気ですか?」
「今の目標は何ですか?」
「私に手伝えること、何かないですか?」
以上3つの問いかけを部下にし、それに応えることが真のリーダーではないでしょうか?
肩書きでリーダーは生まれません。
肩書きでリーダーにはなれません。
リーダーはその人自身の有り様、そのものです。
-------この内容は、フランクリン・コヴィー・ジャパン「7つの習慣」トレーニングプログラムに基づいて表現しています-------