ARCHITECTi2000によるHCV抗体測定の基礎的検討
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吉村稔 塚田さおり
山田直子 塚本真子 木澤洋恵
松崎昭彦
笠原良彦(茅ヶ崎徳洲会病院 検査部)
今井みゆき (大和徳洲会病院検査部)
【目的】
今回我々は、ARCHITECTi2000を用いたHCV抗体の基礎的検討を行ったので報告する。
【測定原理】
新規アクリジニウム誘合体を発光基質に用い、アクリジニウム色素を過酸化水素を含むプレトリガー試薬及びトリガー試薬を加えることにより化学発光させるというサンドイッチ法に基づいた化学発光免疫測定法(CLIA)を測定原理とする。
【方法】
同時再現性、日差再現性、従来法との相関、キャリーオーバー、共存物質の影響について検討した。
【結果】
@同時再現性:2種類のコントロール血清を用い10回連続測定結果CVは5.9〜7.0%であった。
A日差再現性:10日間連続測定した結果CVは5.1〜6.3%であった。
B従来法との相関性:患者検体49例においてAXSYMとの一致率は、98.0%であった。
Cキャリーオーバー:高濃度検体と陰性検体を3回ずつ交互に連続測定し求めたが特に影響は認められなかった。
D共存物質の影響:ヘモグロビン490mg/dl、ビリルビン20mg/dl、乳ビ2970ホルマジン濁度まで影響がないことを確認した。
【まとめ】
本装置は本体内部に試薬を冷蔵保存でき、反応時間も29分、1時間当たり200テストの処理能力を有し検体の追加が随時可能と迅速性、操作性に優れ、日常検査のほか夜間緊急検査にも容易に対応できる機器と考えられた。