第37回関東甲信地区医学検査学会2000.10.14-15
尿コントロール Liquichek Urinalysis Control
の使用経験
◯清宮正徳, 工藤彰人, 加藤真裕美, 伊瀬恵子,
大澤 進, 野村文夫(千葉大学病院検査部)
【目的】
尿定性自動分析装置の導入にあたり, 各社尿コントロールの安定性を比較・検討した.採用したLiquichek Urinalysis
Control Level-2(以下LUC, BIO-RAD社)の日常検査における使用経験とあわせて報告する.
【方法】
LUC, 及び他3社のコントロール尿について, 尿分析装置Super UA の反射率を用いて尿定性検査における日内安定性試験を行った.
またLUCを用いて日常の尿一般定性検査での精度管理評価を行なった. LUCには固定化赤血球及び白血球類似成分が含まれていたため,
尿沈渣用日立6800形尿自動分析装置の精度管理評価も試みた.
【結果】
各社陽性コントロール尿の日内安定性試験(各溶解後室温7時間まで)を行った結果, pH, 白血球, 亜硝酸塩, 蛋白, ブドウ糖,
ケトン体はいずれのコントロールも反射率で5%以内の変動幅であった. 潜血は強陽性を示した2社のみ安定であり, ウロビリノーゲン・ビリルビンはLUCのみ安定であった.
LUCを用いた日立6800の日差再現性(39日間)では, 尿中総粒子数平均4144, SD347, また赤血球・白血球の画像確認処理後は平均117.6,
24.9 個/HPF でSD 8.1, 3.4個/HPFであった.
【考察】
Liquichek Urinalysis Control は尿一般検査の各成分が比較的中濃度であり, また潜血を除いて安定であったため,
これを採用した. Super UA の反射率を用いた日差再現性は各項目とも良好であり, 尿一般検査の精度管理に有用と思われた.
また有形成分の日立6800による総粒子数及び画像確認処理後の日差再現性は良好であり, LUCは尿沈渣自動分析装置の精度管理にも応用可能と思われた.
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