第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

SMBG機器の比較検討

 

岩崎円(練馬総合病院) 野村忠昭(練馬総合病院)
 石川美香(城東社会保険病院)

 

【目的】

現在、SMBGを目的とした小型で使いやすい簡易血糖測定装置が普及している。臨床検査技師の糖尿病療養指導士資格がある中で、検査技師が簡易血糖測定装置の特徴を理解し使用するために6機種のSMBG機器を検討した。

 

【対象と方法】

@当院検査室で血糖検査をおこなった検体(NaF加静脈血)139件を対象とし、三和グルテストエース(GODフェリシアン化カリ電極法)バイエルデキスターZ(GODフェリシアン化カリ電極法)ロシュアドバンテージ(GDHフェリシアン化カリ電極法)ダイナボットメディセンス(GOD−FAD電極法)ノボノボアシストプラス(GOD−POD比色法)テルモメディセーフ(GOD−POD比色法)6機種の各機器と検査科測定機器DM−JACKの相関を検討した。

A上記検体のうち高値検体、低値検体を用いて6機種の同時再現性を検討した

B健康推進フォウラム検査希望者173名の指頭から毛細血管血採取を行いデキスターZおよびアドバンテージにて測定し、機器間の相関を検討した。

 

【結果】

DM−JACKとの各機器の回帰式は各機種とも傾きがみられたが、相関は6機種ともにSMBG機器としては満足のいく結果になった。しかし、検査科測定値とSMBG測定値の差の絶対値は低くて平均9、SD10もあった。

同時再現性のCVは約3%〜7%程度であった。

 

【考察】

これらSMBG機器の検討結果により、溶存酸素やNaFによる影響が考えられた。また、キャリブレーションの精度の問題、操作誤差などの様々な影響があり、SMBG機器を使う際十分な機器の認識が必要であることがわかった。

 

03-3972-8085