クリニテック ミクロアルブ・クレアチニンテストの有用性
○近藤綾子 吉田久美子 尾崎直樹 下田勝二
齋藤久夫 (佐々総合病院 臨床検査科)
【目的】
尿中微量アルブミン定性検査においてもクレアチニン値で補正する必要性が増し、尿中微量アルブミン(以下m-Alb)と尿中クレアチニン(以下Cre)を同時に測定しアルブミン指数(以下m-Alb/Cre)を求めることのできる試験紙クリニテック ミクロアルブ・クレアチニンテスト(バイエルメデイカル(株)(以下:バイエル))の有用性について検討をしたので報告をする。
【測定原理】
m-Alb測定は高親和性色素を用いた蛋白誤差反応を利用し、Cre測定は銅と結合してできるCre結合物のペルオキシダーゼ様反応を応用して測定している。
【方法】
当院糖尿病外来受診中の患者で尿蛋白定性検査(+/−)以下を呈した随時尿を対象検体にした。本試験紙は分析器クリニテック50(バイエル)にて測定した。定量法は、分析器DCA2000システム(バイエル)にてm-Alb定量、Cre定量を測定した。
@m-Alb、Cre及びm-Alb/Creについての本法と定量値の比較。
A尿pH別におけるm-Alb定性値と定量値の一致率。
【結果・考察】
@定量法との比較:m-Albの感度、特異度、一致率は各々90.9%、82.1%、80.3%、Creは97.6%、81.1%、75.4%、m-Alb/Creは78.7%、98.7%、93.4%であった。
A対象検体(pH5〜7.5)における尿pHによる比較でm-Alb定性値にあたえる大きな差は認められなかった。
【結論】
本法は外来随時尿にて迅速、簡便に検査ができ、尿中微量アルブミン定量検査と尿定性検査、尿沈渣検査の併用により糖尿病性腎症の予知及び診断に有用な検査と思われる。
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