Helicobacter
heilmanniiの分離培養への試み
○高橋夕子、中島英恵、倉本あかね、岡部忠志、太田浩良、勝山努
(信州大学医学部附属病院中央検査部)
松沢賢治(丸子中央総合病院) 川上由行(信州大学医療技術短期大学部)
【目的】
Helicobacter heilmannii(以下H. heilmannii)は培養不可能とされていた為、遺伝学的アプローチからのみ知られていたが、近年、分離培養による検出報告がなされた。現在のところH.heilmanniiを疑う症例はまれではあるが、今回本菌の感染が疑われた症例を経験したので分離培養を試みた。
【方法】
臨床症状、内視鏡所見、病理所見、電子顕微鏡所見からH.heilmannii感染が疑われた症例を対象とした。胃前底部及び体部の生検材料をブルセラブロス中で破砕し、遠心して得られた沈渣をChocolate寒天培地及びヘリコバクター培地に接種した。培養は35℃、CO215%、湿度95%下で行った。
【結果】
いずれの検体においても、H.heilmanniiの発育は認められなかった。
【考察】
今回の症例は各種染色結果からもH.heilmannii様微生物が存在している可能性が高いことが示唆されたが、分離培地上に発育集落は認められなかった。今後もさらに検討を続ける予定である。
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