DM-JACKの基礎検討
―HPLC法との相関およびRATE法用試薬の適応性について―
○太田由美子1)下野浩一2)佐久間章1)青木久之2)渋谷誠2)
(BML1)東海大学医学部付属東京病院検査科2))
【目的】
DM-JACK(協和メデックス)は、HbA1c(ラテックス法)と血糖(END-Point法)を同時測定できる。
今回我々は、
@HPLC法との相関性
ARATE法用試薬の適応性
について検討したので報告する。
【測定機器】
HPLC法(東ソーX型)・血糖測定(日立7250)
【方法】
@HbA1cについては、EDTA-2Kで採血した90検体を用いて確認した。
A血糖測定については最小二乗法で求めた近似式からEND-Point法で2点間の吸光度変化量を求めるプログラムを使用してRATE法との相関性を確認した。
【結果】
@HPLC法との相関性は、y=0.987x+0.09r=0.987であったが3検体で0.4〜0.6の乖離が見られた。しかし、これらからは特種なパターンが検出されなかったことから溶血による影響を考慮して30検体の追加試験を行った。結果、相関性については、y=0.997−0.07、r=0.998と有意な変化は見られなかったが乖離は0.1〜0.2の範囲となった。
ARATE法用試薬を用いて演算処理した値での相関は、y=0.987+1.1 r=0.998と良好であったが、共存物質による影響と演算処理の関係について検討した結果、イントラファットでRATE原法試薬との差が認められた。その他の共存物質では明らかな差は見られなかった。
【考察】
@HPLC法との乖離はほぼ一定しており迅速性を考慮すると臨床的にも有用性があると思われる。
ARATE法用試薬の適応性については、乳ビ検体で原法より低値で影響を受けるが同一検体同時測定(NaF)という可能性から演算処理での対応も有意と考える。
03-3370-2321 (5701)