分散型尿測定システムを用いた尿検査の精度について
○武田倫明、高橋尚美、浜中博子、須郷秋恵
(横浜市大市民総合医療センター、臨床検査部)
鈴木雅子(同看護部)
【目的】
平成12年1月、病院の開院に伴い、4病室トイレに分散型尿量、尿比重自動測定システムを導入。本システムは、患者の尿量、尿比重を自動的に測定、一部尿サンプリングユニットにおいて4%の尿をサンプリングするシステムである。4%サンプリング後、自動的に薬液、及び水洗いをする。サンプリングにより検査データに影響がないか検討したので報告する。
【方法】
@蓄尿した検体の一部をA、B、C、Dのそれぞれのラインに200mlずつ流し、4%尿をサンプルとして採取。ラインを流さない尿と尿定性、尿定量検査を実施。
A蓄尿した尿の一部をA、B、C、Dのラインに200mlずつ(n=7~8)流し、流さない尿(n=8)と有意差検定を行った。尿定性はクリニテック200+、尿定量はCX-3(東芝)及び日立7600−10にて測定。
【結果】
@4%蓄尿ユニット85台、340ラインで測定した結果、10%以上の誤差がみられたのは9ライン。整備後は認められなかった。
AA、B、C、Dラインにおけるデータはラインを流さない尿とは有意差はなかった。B自動的に測定した尿比重と比重計では、比重計を用いたほうが低値を示した。尿の測定温度、及び尿量の影響と思われる。
【結論】
本システムは各病室にサテライトユニットを設置し、患者自身が測定した尿量、尿比重の測定値をネットワークで結ぶ共に、一部尿分注機構を導入することで、全尿の一部の採取が容易になった。4%分注でのクロスコンタミを比較検討したが、影響は認められなかった。しかし、ユニットの経年に伴う影響について今後検討する必要がある。
045-253-5750