DRIジゴキシンの基礎的検討
○荻原恵理子 林崇 吉本晋作 川畑貞美
(順天堂大学浦安病院 検査科)
【目的】
血中薬物濃度の測定において、最近では汎用機での運用が主流であり、当検査室でもホモジニアスエンザイムイムノアッセイを測定原理とする測定法にてルチンを行なっている。今回、ラテックス法を用いたジゴキシン測定試薬の基礎的検討を行なう機会を得たので報告する。
【機器・試薬】
@測定機器:日立7170S型自動分析装置。
A測定試薬:DRIジゴキシン(第一化学)。
B分析条件:メーカー指定のパラメーターを使用。
C検量方法:6濃度標準液による多点検量法(ロジットログ5P)。
【検討内容及び結果】
@同時再現性:2濃度のプール血清を連続20回測定したところ、それぞれ平均値(ng/ml)=0.6、1.7、SD=0.02、0.02、CV(%)=3.9、1.1であった。
A直線性:高濃度試料を生理食塩水にて10段階に希釈し直線性を確認したところ、5.0ng/ml付近まで直線性が認められた。
B共存物質の影響:ビリルビン、溶血、乳びの影響は特に認められなかった。
C最小検出限界:ジゴキシン濃度が約0.3 ng/mlを示す患者血清をジゴキシン非投与患者血清にて10段階に希釈し、それぞれ連続10回測定を行なった。平均値±2.6SDを求め、0濃度+2.6SDと重なり合わない点の平均値を最小検出限界としたところ0.07 ng/mlであった。
D相関:ジゴキシン投与患者検体(n=56)を用いての従来法(EMIT)との相関は、r=0.986、y=0.92x−0.06であった。
【まとめ】
DRIジゴキシンの基礎的検討において再現性、直線性ともに良好で、共存物質の影響も特に認められなかった。最小検出限界も充分な感度を有しており、従来法との相関も良好であった。さらに、DLIFを主とする他の物質との交差反応性の追加検討を加え、当日報告を行いたい。
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