コアグレックス−８００によるトロンボテスト
及びヘパプラスチンテスト測定について
○岸 美智子 長尾 敦子 小林 弘美 寺尾 幸重 高木 豊
萩原 直久 野本 剛史(日本医科大学付属病院中央検査部)
【目的】
トロンボテスト及びヘパプラスチンテストは経口抗凝血薬療法のコントロ-ルや肝機能障害・ビタミンＫ欠乏をスクリ-ニングする検査として有用である。今回、凝固時間法、合成基質法及びラッテクス凝集法の３法が同時測定可能な全自動血液凝固分析装置であるコアグレックス−８００（国際試薬）を使用しトロンボテスト及びヘパプラスチンテストの測定を検討したので報告する。
【対象・試薬】
当院入院・外来患者の3.8%クエン酸Ｎａ加血漿を対象とし、トロンボテスト・オーレン（エーザイ）を溶解液Ｔ（三光純薬）で溶解した試薬とヘパプラスチンテスト(エーザイ)を溶解液Ｈ（三光純薬）で溶解した試薬を使用した。
【検討方法及び成績】
1.同時再現性：標準血漿正常域・異常域・ＡＫ
(エーザイ)を使用し各々20回連続測定した。TT(S)
CV 1.64%以下 HT(S) CV 1.66%以下となった。
2.日差再現性：同様に連続14日間連続測定しTT(S) CV 3.66%以下 HT(S) CV 1.66%以下となった。
3.試薬の安定性：試薬溶解後機器にセットし12時間まで1時間ごと、その後24時間ごとに測定した。TT
HT ともに48時間までは試薬が安定であった。
4.共存物質の影響：干渉チェックＡを用いプール血漿に1/10量添加し影響を見た。TT HTともに影響は確認できなかった。
5.従来法との相関関係：CR-700 にて同一の試薬を用い測定した。TT r=0.999 y=1.04x-0.03 HT r=0.9958
y=1.01x-0.29であった。
【まとめ】
今回検討したトロンボテスト・オーレン及びヘパプラスチンテストは良好な結果であり、コアグレックス−８００に十分対応可能と思われる。
連絡先 03-3822-2131（6564)