輸血療法委員会設置による効果
○平野静 飯島智子 吉澤理恵 青木康博 武川光子 袴田博文
(上尾中央総合病院 輸血検査)
【はじめに】
当院では安全かつ適正な輸血療法の推進を目的として、1999年6月に輸血療法委員会を設置した。各科の血液製剤使用状況の報告、製剤の有効利用や自己血、T&Sの推進について検討し、また人全血、FFPの適正使用を明確化した。委員会設置前後の血液製剤の使用状況等を比較したところいくつかの効果が見られたので報告する。
【結果】
赤血球製剤の使用状況は98年度3685単位(この内人全血478単位)、99年度2920単位(人全血96単位)と減少し、廃棄率も98年度8.6%から99年度5.1%と減少した。血漿製剤の使用も98年度7394単位(この内FFP4124単位)、99年度5300単位(FFP2160単位)と減少した。自己血貯血単位数は98年度148単位、99年度303単位で約2倍増加した。
【考察】
赤血球製剤、血漿製剤の使用単位数、廃棄率共に減少が見られた。これは不必要な残血を早期に返却するようにしたこと、委員会で人全血、FFPの適正使用を明確にし、指示が出た場合は医師に使用理由を確認したことや、自己血が増加した為だと考えられる。自己血の増加は医師への啓蒙や造血剤の変更をして患者の負担を軽減したことが大きな要因だと考えられる。
【結語】
医師も含めた組織として活動することによって臨床サイドと話し合う機会も増え,医師へのコンサルテーションがより効率よく行えるようになった。今後も積極的に活動を継続していき、製剤の有効利用や適正使用をさらに推進していきたい。
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