第37回関東甲信地区医学検査学会 2000.10.14-15

ルミパルスfによるLHFSHPRLの基礎的検討

 

○古谷弘一 島田憲二 大用義裕 宇津木道弘

(東京医科大学病院中央検査部)

 

【はじめに】

LH(黄体形成ホルモン)FSH(卵胞刺激ホルモン)、PRL (プロラクチン)は下垂体前葉から分泌されるホルモンである。LH , FSHの測定は性腺機能異常の診断、PRLの測定は乳汁漏出、不妊症などの診断及び治療のモニタリングに有用とされている。今回我々は、アルカリホスファターゼに対する高感度な発光基質AMPPD 、及び固相にフェライト粒子を用いた化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)による基礎的検討を行ったので報告する。

 

【原理及び方法】

本法は2ステップサンドイッチ法によるCLEIA法である。試料として当院入院、外来受診者及び健診センター受診者血清を用いた。

 

【結果】

1)同時再現性:3濃度の患者血清を用いて10回連続測定したところ、C.V.LH;0.732.73%、FSH;1.02〜1.44%、PRL;0.90〜1.84%であった。

2)日差再現性:2濃度の患者血清を用い6日間測定したところ、C.V. はそれぞれ2.64 〜3.84、0.62〜1.45、1.86〜2.00%であった。

3)最小検出感度:標準液を希釈液で段階希釈し5重測定を行い、最小検出感度を求めたところLHFSH共に0.05IU/ml、PRL0.05ng/mlであった。

4)共存物質の影響:干渉チェックAプラス(国際試薬)を用いて検討したところ影響は認められなかった。5)相関性:RIA法を原理とするスパックSとの相関性の検討ではLHはr=0.972FSH =0.991、PRLはr=0.980であった。

 

【結語】

今回、ルミパルスf を用いて基礎的検討を行ったが再現性、最小検出感度、共存物質の影響など基礎試験の結果は何れも良好であった。また、操作が簡便で他項目とのランダムアッセイも可能なことから日常検査に有用であると考えられる。

 

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