平成11年度臨床化学検査研究班サーベイ解析結果 −酵素項目-
◯上月 理之、小野 香織、清宮 朋子、東 勉、岩崎 克己、林 崇、吉田 俊彦、市原 文雄 (臨床化学検査研究班)
【目的】
平成11年度に千臨技は、正確さを基盤としたサーベイを行った。今回、我々はサーベイ実施要項に従い解析を行い若干の知見を得たので、酵素6項目(AST,ALT,GGT,ALP,LD,CK)の結果を報告する。
【解析結果】
1.測定法について
AST,ALT,CKは日本臨床化学会勧告法標準化対応法(JSCC法)の採用率が80%以上と高率であった。それに対しGGT,ALPが50%前後、さらにLDでは18.5%と採用率が低かった。
2.検量用ERMについて
検量用ERMを校正に使用している施設は、LDを除く5項目の平均で昨年の8.6%から14.9%に増加した。充足率を検量用ERMに着目するとAST,ALT,ALP,LDで100%、GGTで92.9%、CKで85.7%であった。CKが他の項目より充足率が低率であった理由は、検量用ERMのロット変更時の値付けに問題があったためと思われる。
3.充足率について
PS-Mの各項目の充足率は、AST,ALT,CKで90%以上と高率であったのに対して、GGT,ALP,LDは20〜40%と低率であった。これは、JSCC法の採用頻度の違いに拠るところが大きいと思われる。
【まとめ】
AST,ALT,CKは、ほとんどの施設で問題なく測定されており、本サーベイの目的を達成できたと考える。GGT,ALP,LDで目標値を達成できなかった施設は、技師会による検査値統一化事業の発足を契機にJSCC法への変更と検量用ERMの使用により施設間差が縮小されることが望まれる。
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