CHROMagar カンジダの効果的利用法
○野上 直子、中澤 武司、川島 徹、川畑 貞美(順天堂大学浦安病院)
【目的】酵母様真菌をCHROMagar カンジダ(以下CMAと略す)の色調と形態のみでは、誤判定をしてしまうことがある。今回我々は、CMAの有効利用のため、ルーチンの分離平板とスライドカルチャーの所見を併用し、効果的判定法の検討し若干の知見を得たのでここに報告する。
【材料と方法】塗抹検査で酵母様真菌がみられた100検体について、日常分離培地にCMAを追加し検討した。分離された酵母様真菌は、24と48時間後にCMA単独で推定同定した。さらに、その他の分離平板(血液寒天、チョコレート寒天、BTB寒天培地: BBL)のコロニー形態の性状を付加し推定同定した。次に分離された酵母は、サブローデキストロース寒天培地に純培養(24時間、30℃)し滅菌生食液に懸濁した後VITEC−YBC−カードによる同定を実施した。さらに、コ−ンミ−ルtween80寒天培地上に画線分離後好気的条件下で培養(48時間、30℃)を実施し観察した。
【結果及び考察】酵母様真菌の8種のうちCMA
と分離平板の組み合せによる推測同定は良好であった。CMA単独では、C.glabrataとC.paraps- ilosisとC.tropicalisの色調が類似し、誤同定を認めたが、その他の平板の観察を追加することにより正確に同定することができた。しかし、培地上のコロニー形態は、使用する種類、メーカーにより差が見られるため、各施設での形態特徴を把握していくことが重要であると思われる。
【結論】本法は従来の酵母様真菌の同定手順に比較し、同定キットを使用せず検査価格及び時間が短縮されて経済効率が向上した。
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