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オ−ソクイツクチェイサ−HCV-Abにおける基礎的検討

◯田村 真澄、金子 達子、岩崎 克己、飯田 伸一、清和 富雄(成田赤十字病院) 

【目的】今回、15分で判定可能で操作が簡易なイムノクロマト法による「オ−ソクイックチェイサ−HCVAb」の基礎的検討を行い若干の知見を得たので報告する。

【方法】1)相関:PHA法で判定保留から弱陽性のものを中心にPHA法(ダイナボット)、クイックチェイサ−(オ−ソ)、アキシムHCVダイナパックU(ダイナボット)の3法について検討を行った。2)感度:陽性検体3例について比較した。3)共存物質の影響:ビリルビン、溶血、乳ビ、アスコルビン酸と高蛋白血症について検討した。

【結果】1)相関:PHA法とクイックチェイサ−で100例中10例で判定が乖離し、内9例がクイックチェイサ−のみ陰性(EIA法で15 S/CO以下の低値)、1例がクイックチェイサ−のみ陽性であった。陰性1例は、PCR法陽性肝機能高値であり、感染初期が疑われた。陽性1例は,IgM性蛋白等の交叉反応の可能性が考えられた。2)感度:1例でクイックチェイサ−で3管差の低値であった。RIBAVによる精査の結果より、HCV抗体のバンドに対する特異性の違いによるものと思われた。3)共存物質の影響:ビリルビンF 30mg/dl、ビリルビンC 40mg/dl、ヘモグロビン700mg/dl、乳ビ5500度(ホルマジン濁度)、アスコルビン酸200mg/dlまで判定に影響は見られなかった。また、高蛋白血症8例中1例で泳動速度の遅れが見られたが15分の判定に影響はなく、対照のラインが反応すれば、特に判定時間を延長する必要はなかった。

【まとめ】相関において、他法に比べ若干感度が低い事が示唆された。しかし、陰性の検体については肝機能などを含め、総合的に判断することで緊急検査として対応できるものと思われた。