試験管法、ゲルテスト、カラム凝集法を用いた酵素法の比較検討
○富田みね子 長谷川浩子 山本浩子植 田早苗 伊藤道博 (千葉大学医学部附属病院輸血部)
【目的】不規則抗体スクリーニングにおいて、従来の試験管法、ゲルテスト(MTS;マイクロタイピングシステム(DiaMed社))、カラム凝集法(CAT;バイオビュー(Ortho社))について酵素法の比較検討をしたので報告する。
【対象および方法】試験管法、CATはFicin処理血球(Gamma11年4月5日から平成11年5月28日までの間に当院輸血部に検査依頼のあった496件と試験管法陽性であった保存検体14件の計510件を対象とした。
【結果】@3法いずれかの方法で陽性を示したものは62件(12.2%)あり、抗体種別はRh式抗体が16件、Lewis残り29件については自己抗体あるいは非特異反応であった。BRh式抗体16件中MTSは14件(87.5%)CATは11件(68.8%)が陽性であった。・.MTS、CATは冷式抗体の検出率は低かった。
【考察】試験管法とMTSはRh式抗体の検出率が高い反面、非特異反応や同定できないものが多かった。CATは試験管法やMTSに比べ検出率は劣るものの、非特異反応が稀だった。MTSやCATは使用する検体量が少なく、操作が簡便な反面、試験管法のみで検出された抗体もあり、それぞれの特徴を把握した上で利用することが望ましいと思われる。
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