全自動凝固線溶測定装置STA-Rの基礎的検討 〜特にPT,aPTT,Fib,TBT,HPTについて〜
◯高師 紀子、関川 由里子、高橋美加子、吉田 隆、三橋 裕行、桑田 昇治、木野内 喬
(帝京大学医学部附属市原病院中央検査部)
【目的】今回われわれは、全自動凝固線溶測定装置STA-R(ロシュ・ダイアグノスティックス社製)の凝固検査系項目の基礎的検討を行ったので報告する。
【対象および方法】・試料:当院外来および入院患者3.8%クエン酸血漿 ・検討項目:PT、aPTT、Fib、TBT、HPT ・使用試薬:STA Neoplastin Plus(PT)、APTT-LT(aPTT)、STA Fibrinogen(Fib)、Hepato Quick(HPT)、STACLOT TT(TBT)、以上ロシュ ・ダイアグノスティックス社製 ・対照機器:Coagrex-700(国際試薬社製) ・対照試薬:トロンボレルS(PT:デイドベーリング社製)トロンボチェックAPTT(aPTT)、トロンボチェックFib(Fib)、複合因子H(HPT)、複合因子T(TBT)、以上国際試薬社製を用いて検討を行った。
【成績】・同時再現性(N=10):2濃度のコントロール血漿と2濃度のプール血漿を用いて行った結果、各項目ともCV2.62%(Fib)以下と良好であった。・従来法との相関(N=55):aPTTの相関係数はr=0.89とやや低い相関をしめしたが、他の項目においては相関係数r=0.94(HPT)〜0.99(PTsec)と良好な結果をしめした。
【まとめ】STA-Rは各項目とも再現性は良好であった。また対照機器、試薬との相関はaPTTのみ相関係数が若干低くかったものの各項目とも良好であり、日常検査に有用な分析機器と思われる。