平成11年度 千臨技 血液検査研究班 サーベイ報告(PT・フィブリノーゲン)
◯佐藤 正一,小池 修司,柿沼 豊,山本 修一,大山 正之,麻生 裕康
(千葉県臨床衛生検査技師会 血液検査研究班)
【はじめに】
現在,PTやAPTTなどの凝固検査の主な報告様式は秒数である.この事が多種類の凝固測定試薬・機器が使用される現状では,標準化の弊害となっている.近年,標準化のため手法として活性%やInternational
Normalized Ratio(INR)などの方法が考案されているが,依然として施設間には大きな隔たりが存在する.今回,平成6年から平成11年までに実施したPTおよびフィブリノーゲンのサンプルサーベイ結果から,各施設の報告様式および報告値の状況について述べる.
【結果】
使用機器の測定原理は,光学的原理77%,物理学的原理13%であった.使用しているPT試薬は,14種類にも及んだ.PTの報告様式については,活性%やINRなど標準化に向けた報告様式をとっている施設が徐々に増加している.PTの集約性については,PT活性%表示において今年度CV12〜19%となり,徐々に集約化傾向が認められる.また,INR表示の場合についてもCV7〜20%程度であった.フィブリノーゲンでは97年度以降CV約10%前後で安定化してきている.コントロール血漿の測定状況は,1日1回測定が最も多く57%を占めた.
【まとめ】
血液検査研究班では中間報告を通して各施設個別の報告を行っている.これまで実施したサーベイ結果より,現在ある程度の施設間差縮小結果を得ているが,なお一部の施設では大きく乖離するデータが報告されている.この事から,中間報告書を基に,今後改善策を講じることが望まれる.
連絡先 千葉県救急医療センター 検査科
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