第22回千葉県臨床衛生検査学会抄録(平成13年2月11日開催)



EDTA2Na NH4OHを用いた脱灰法の検討マイクロウェーブ照射の効果−第3報−

○ 花見恭太 小山芳徳 松永江利子 安達純世 小野寺清隆 牛木志保 麻生 晃
(帝京大学医学部附属市原病院 病理部)

EDTAは脱灰時間が長いが、アンモニアによりpH調整を行い脱灰時にマイクロウェーブ照射し脱灰時間を短縮することにより日常検査にも使用可能である事を報告してきた。しかし前回の検討では、熱による影響を抑えるために氷を用いたために、マイクロウェーブの照射時間に制限があり操作が非常に煩雑であった。今回、恒温装置付のマイクロウェーブ照射装置MI-33型(東屋医科器械)を使用する機会を得たので、これを用い検討を行った。
(方法)
剖検材料の骨髄と手術材料の骨肉腫を試料とした。脱灰液は前回と同様に調整、前処理としてクロロホルム・メタノール等量混合液で十分脱脂する。
脱灰は専用容器に脱灰液を約700ml入れ試料を浸漬、マイクロウェーブ照射装置内の恒温装置にセットする。マイクロウェーブは8秒照射の6秒休みの間欠照射とし、脱灰液の上限温度を37℃に設定した。対照としてマイクロウェーブ照射無し、室温で脱灰した試料を作成した。
(結果)
恒温装置により液温を安定させる事が出来、間欠照射であるが連続的にマイクロウェーブを照射する事が出来た。脱灰時間は試料による差はあるが前回の検討では、骨髄で6時間〜1.5日、骨肉腫で1.5〜3日であった。今回の対照試料の骨髄、骨肉腫は共に1日であったが、マイクロウェーブ照射を行ったものでは7.5時間と脱灰時間をかなり短縮する事ができた。更に試料の追加と免疫染色等の検討を加え報告する。

       連絡先0436-62-1211 内線1263

制作・著作:社団法人千葉県臨床衛生検査技師会