年齢/性別:40歳 男性
採取部位(方法):右精巣腫瘍捺印
臨床所見:右陰嚢痛

精上皮腫(セミノーマ;seminoma)
少数のリンパ球と中型細胞がみられる強拡大像。核小体が目立つ類円形核で、核縁の肥厚は無く、明るい細胞質を有し、結合性は弱く小シート状または孤立性に出現している。通常の上皮性細胞とは異なって軟らかい印象を受ける細胞で、胚細胞に類似し、精上皮腫が最も考えられる。精上皮腫と他の胚細胞性腫瘍(胎児性癌、絨毛癌、奇形腫など)との鑑別は治療方針決定に重要であり、腫瘍マーカーと組織型には相関がある。精巣腫瘍が疑われる場合、診断と治療の意味合いで精巣は摘出され、細胞診が行われることは少ない。