千臨技会誌　2009　No.2　通巻106

みて見て診よう	脳腫瘍の細胞診 転移性脳腫瘍，悪性リンパ腫，頭蓋咽頭腫，ドレーン細胞診	日本医科大学千葉北総病院　病理部清水　秀樹
みて見て診よう	超音波スクリーニングを，みて，見て，診よう	旭中央病院中央検査科関根　智紀　　朝田寛
研　　究	肺に発生したコクシジオイデス症の１例	千葉大学医学部附属病院　病理部１）　検査部２）　板倉　朋恵１）　堀内　文男１）　渡邊　正治２）
研　　究	2006年に経験した新生児GBS感染症３例について	千葉県こども病院検査部検査科　澤田　恭子　　島津　沙織　　佐藤　洋子
施設訪問	東京慈恵会医科大学附属柏病院
研究班紹介	一般検査研究班の紹介	東邦大学医療センター佐倉病院ＭＣＭ安　藤　　　正
コーヒーブレイク	「電脳都市空間　千葉市」 ―エンハンスメント論―	千葉県臨床検査技師会々員加　藤　恵　一

脳腫瘍の細胞診 転移性脳腫瘍，悪性リンパ腫，頭蓋咽頭腫，ドレーン細胞診
日本医科大学千葉北総病院　病理部清　水　秀　樹

１．はじめに
　１回目は脳腫瘍細胞診のintroductionと画像，Intra-axial(脳実質内腫瘍）の代表的なgliomaについて，２回目はExtra-axial(脳実質外腫瘍)の代表的なmeningioma，schwannomaについて述べた．今回は症例として転移性脳腫瘍，悪性リンパ腫，先天性遺残組織から発生する頭蓋咽頭腫腫瘍の３つについて，また脳室内ドレーン細胞診について若干の知見について述べる．

Case 1. Metastatic squamouse cell carcinoma.（写真１）
疾患をみてみよう
転移性脳腫瘍とは中枢神経以外に生じた腫瘍が脳に転移したもの．脳転移は近傍組織の腫瘍の直接浸潤を除き，血行性に生ずる．発生部位は約７割がテント上に発生し，大脳半球が約45％である．発生年齢は中年～高齢者に多い．
画像を見てみよう
右大脳皮質と髄質の境界部位付近にMRI T1Gdでring-enhanceを認め(a)，MRI T2では腫瘍とその周囲，白質領域にenhanceを認める(b）．
細胞を診てみよう
角化細胞とながれをもつclusterを認める．個々の細胞は核の大小不同，核クロマチンの増加を認める(d）．
組織を診てみよう
壊死を伴い，角化を示す異型細胞を認める．細胞像と一致する所見である．角化型扁平上皮癌である．
診断ポイントをみてみよう
①細胞診断は比較的容易であるが，まれに膠芽腫と未分化癌の鑑別に苦慮する場合もある．既往歴のチェックは忘れずに行うべきである．②脳実質内にできた転移性癌は，皮質と髄質の境界部位付近発生が多い．また脳表面に発生した場合は，髄膜腫と同様圧排性増殖が観察される．③脳実質に転移しやすいのは肺癌，腎癌，消化器癌，軟膜転移は乳癌，肺癌，悪性黒色腫，白血病などである．

Case 2.Craniopharyngioma(頭蓋咽頭腫）（写真２）
疾患をみてみよう
胎生期頭蓋咽頭管(ductus craniopharyngeus)の遺残組織から発生するといわれている良性腫瘍．好発部位はトルコ鞍上部～トルコ鞍内．原発脳腫瘍の約５％，小児腫瘍では神経膠腫，髄芽腫についで多い．腫瘍は徐々に発育し周囲組織を圧迫する．視神経，下垂体，第３脳室の圧排症状が主である．
画像を見てみよう
トルコ鞍内からトルコ鞍上部にMRI T1Gdでenhanceされる充実性～　胞状のmass(直径１㎝ arrow)を認める(a）．
細胞を診てみよう
　胞内容液
内容液は暗黄色，混濁でやや粘性を示しモーターオイル状を呈している(b）．Pap染色では小脂肪滴を細胞質に含むfoamy macrophageを認める(c）．未染ではコレステリン結晶を認める(d）．
　胞壁
背景には網状物質を認めない．扁平上皮類似の上皮性細胞(arrow)が，膠原線維の周囲に認められる．craniopharyngiomaの細胞像である(f)．
周囲
線維性背景に線維性アストロサイトとrosenthal fiber(↑)がられる(h）．
組織所見を診てみよう
　胞壁・周囲ともに細胞像と一致する所見である(e)(g）．
診断ポイントをみてみよう
胎生期遺残組織由来の腫瘍，先天性腫瘍である．①採取部位により細胞像は異なってくるので疾患の十分な理解が必要である．②　胞内容液に扁平上皮類似の上皮性細胞を認める事がある．③細胞像が類似するものに奇形腫であるepidermoid cystやdermoid cystがある．Epidermoid cystではケラトヒアリン顆粒を有する扁平上皮が見られる事で，dermoid cystはepidermoid cyst像＋毛髪（皮膚成分）がみられる事で鑑別が可能となる．④本腫瘍のrosenthal fiberは腫瘍周囲組織に，pilocytic astrocytomaのrosenthal fiberは腫瘍内に見られる．本疾患に限らず，経過の長い腫瘤周囲にもrosenthal fiberは認められる事があので，細胞判定にrosenthal fiberを利用する時は充分気をつけて判定する．

Case 3. Malignant Lymphoma(primary）.(写真３）
疾患をみてみよう
中枢神経に発生する悪性リンパ腫は中枢神経原発と転移や浸潤により２次的に生じたものの２つに大別される．原発性の発生部位はテント上，脳実質内が多い．好発年齢は成人に多く，50才台にピークがあり，男性にやや多い．原発ではB cell typeが約97％である．近年増加傾向にある．
画像を見てみよう
硬膜に接するように右大脳にMRI T1Gdでenhanceされるmassを認める．内部はやや不均一で，その周囲に浮腫性変化を認める(a）．脳実質外か，脳実質内か判断の難しい像である．
細胞を診てみよう
背景には変性した粒状物を認める．N/C比大，核クロマチンの増加と核型不整を伴う円形細胞が見られる(c）．Giemsa染色では細胞質が明瞭に観察される(d)．Malignant Lymphomaの細胞像である．
組織を診てみよう
血管周囲に腫瘍細胞が集族している．Malignant Lymphomaの組織像である．
診断ポイントをみてみよう
①脳原発malignant lymphomaはdiffuse large cell typeが多く，術中迅速診断では細胞診断が威力を発揮できる腫瘍である．②術前の放射線療法やステロイド投与により腫瘍細胞の減少，形態変化，周囲gliosisなどの変化を起こすため，迅速診断前にチェックする必要がある．③血管周囲(Virchow-Robin腔)に浸潤してびまん性に増殖する．組織標本では血管周囲に腫瘍細胞が集族する像が特徴的である．MRI T1Gdでは脳実質とenhance部位の境界部から採取された組織に見られる事が多い．④酵素抗体法による診断は他の臓器と同様である．

脳室ドレナージ細胞診
脳腫瘍関係の細胞診といった場合　術中迅速診断時の細胞診や髄液細胞診が一般的であるが，見逃されているところに脳室ドレナージ細胞診がある．脳室ドレナージは脳室内にドレーンを挿入し脳脊髄液を排出し，水頭症の治療を行うものである．この時の排出液に脳実質成分や腫瘍そのものが見られることがある．通常の脳脊髄液とは別物として考える必要がある．

Case 4 V-P shunts.(写真４）
疾患をみてみよう
水頭症に対しV-P shuntsを行った．V-P shuntsとは水頭症の脳圧亢進に対し，脳圧を下げる目的で，脳室内にドレーンを入れ過剰な脳脊髄液を脳外へ排出する方法である．ドレーンを設置する際，脳に機械的な力がかかるため，脳実質成分，脈絡叢成分，その他の成分が脳脊髄液に見られる．
細胞を診みてみよう
線維状に見える網状物質を伴う脳実質成分を認める(b)．また，線維状の変性脳実質成分(c)や変性神経細胞(d)も認める．さらに脈絡叢細胞やくも膜下腔の薄い線維成分(f)(e)も認める．
組織を診てみよう
別な患者の解剖例を用いて細胞像と合致する部位を検索した．脈絡叢組織像(e)とくも膜下腔の薄い線維成分（左）と脳実質組織（右）（g）である．細胞像と一致する所見である．
診断ポイント
①脳室ドレナージ細胞診施行には，脳の細胞成分がドレーン排出液や腰椎穿刺の脳脊髄液に見られる．また，ドレーンチューブ先端に組織が付着することもある．②ドレーン設置後，数日間は観察される．しかし，徐々にその数は減少し，やがて観察されなくなる．③腫瘍で手術した際も術後，数日間は脳脊髄液中に腫瘍細胞の出現を見る事がある．しかし，腫瘍も徐々に数が減り，数日間で観察されなくなる事がある．これを脳脊髄膜への播種，転移と診断を誤ってはいけない．

参考文献，参考図書
清水秀樹脳腫瘍圧挫細胞診における核所見の検討 Glia系腫瘍以外について日臨細Vol.37, No.Suppl.1 p197
脳腫瘍取扱い規約（第２版）（2002） Kanehara-shyuppan, Tokyo
脳腫瘍の病理と臨床久保田紀彦（監修）佐藤一史（編集）診断と治療社2002
脳腫瘍臨床病理カラーアトラス第２版日本脳腫瘍病理学会医学書院2006
病理と臨床特集脳腫瘍Ⅰ 2004 9 Vol22 No 9 文光堂
病理と臨床特集脳腫瘍Ⅱ 2004 9 Vol22 No 10 文光堂
病理と臨床特集画像診断の進歩 2007.9 Vol.25 No9 文光堂
病理と臨床特集実地病理医に必要な神経病理Ⅰ2007.10 Vol.25 No10 文光堂
Kim R, Michael W, Stephen S, et al (2004) Direct Sampling of The Central Nervous System In: Modern Cytopathology Churchill Livingston, New York, p335-344
Takahasi M (2000) Central Nervous System. In Takahashi M (eds) Color Atlas of Cancer Cytology Third Edition. Igku-Shoin, Tokyo, New York, p425-448.
Walter R (1995). Cerebrospinal fluid examination and direct brain preparations. In Winifred Gray (eds) Diagnostic Cytopathology. Churchill Livingston, Edinburgh, Hong Kong, London, Melbourne, New York, Tokyo, p901-930.
Namiki H, John M, Hardman, et al (1997). The Central Nervous System. In Steven G. Silverberg (eds). Surgical Pathology And Cytopathology Third Edition. Churchill Livingston NewYork, Edinburgh, London Madrid, Melbourne, San Francisco, Tokyo: 2905-3036.

写真１ Case 1．
Metastatic squamouse cell carcinoma.
 MRI T1 Gd.  MRI T2.
 HE x200.  Pap x400

写真2 Case 2.
Craniopharyngioma 頭蓋咽頭腫
 MRI T1 Gd.  Contents liquid.
 Pap x 200  Un-stain x 400
 HEx200．
 Papx400． Arrow is squamouse like cell
 HE x200  Papx400．
  Arrow is Rosenthal fiber．

写真３ Case 3.
Malignant　Lymphoma.
 MRI T1 Gd　  HE x100.
 Pap x400　　 Giemsa x 400

写真4 Case4. V-P shunts
 X-RAY.
 網状物質を背景に神経細胞やGlia細胞を認める．Pap x200.
 変性網状物質は線維状に見える．Pap x200．
 変性神経細胞 Pap x 200．
 脈絡叢組織像HE x200
 脈絡叢細胞 Pap x400．
 くも膜下腔の薄い線維成分HE x200
 薄い線維成分 Giemsa x200

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みて見て診よう！

超音波スクリーニングを，みて，見て，診よう
旭中央病院中央検査科関根　智紀　　朝田

【はじめに】
　前回，「みて，見て，診よう」について，超音波検査が最も苦手とする消化管領域に目を向けて考えてみた．この言葉は安易に考えると，「みて＝表面的な検査の入り口の情報」，「見て＝検査を進めてみる」，「診よう＝精密検査や病理の結果から得られる診断的なもの」のように思われがちである（表１）．しかし，“みてが軽く，診ようが重い”のではなく，実際の検査の場では，みて，見て，診ようが，これら各段階の経時的な流れのなかで組み合わされて一連の検査診断学として成り立っているように考える．
　しかし，最初からこのように考え方を固定観念でまとめすぎては見失うものもあるので，今回はこのような捉え方とは異なる方向からチャレンジをして「みて，見て，診よう」を考えてみたい．
　いま，超音波検査は日常臨床の場において第一選択の検査法として用いられることが多い．このような場合，その目的や対象（人間ドック，慢性ウイルス性肝炎の定期検査，症状からみた検査）とは無関係に最初の段階で超音波検査が行なわれると，それは“超音波スクリーニング”という用語で呼ばれることが多い．しかし，その用語は同じであってもそれぞれの検査目的により超音波検査の捉え方と進め方には大きな違いがあるはずで，さらに検査に求められるスキルアップを目指した展開も加わると，かなりの知識と技術が必要とされる．
　今回，これまでの検査の入り口から病理診断までの流れではなく，超音波スクリーニングという単一検査の項目を横に広げて「みて，見て，診よう」を導き出してみたい．

【超音波検査の特徴は変化している】
１．超音波検査の特徴
　超音波検査の特徴は，教科書にもあるように，①非侵襲性，②簡便性，③反復性，④実時間観察，などである．Ｘ線被爆もなく，簡単に，何度でも繰り返し検査が進められ，またリアルタイムでの観察は他検査では得られない情報を提供する．
２．最近の臨床に役に立つ超音波検査
　最近では，これまでの特長に加えより詳細に臨床に役立つ情報を提供することが求められてきている（表２）．具体的には，①病変の程度を的確に観察できる，②小さな病変の描出に優れている，③血流観察が可能，④検査の適応範囲(消化管も)が幅広い，⑤１回の検査で腹部各臓器が観察できる，⑥超音波映像下穿刺術の治療面への応用，となっている．すなわち，病変の存在診断は当たり前となり，肝膿瘍ならその成熟段階を，虫垂炎ならカタル性から蜂窩織炎さらに壊疽性までの段階の変化を判読して情報提供ができるようになってきた．また，腫瘍などでは治療成績の良い小さな病変すなわち早期な段階を描出できるようにもなっている．さらに生理的な状態下で主要な血管のみならず腫瘍性病変の血行動態まで情報提供が進められている．

【超音波スクリーニングについて】
１．スクリーニングとは振るい分け
　スクリーニングとは振るい分けであり，迅速に実施可能な検査または手技を用いて無自覚の疾病あるいは障害を暫定的に識別すること，である．超音波スクリーニング検査とは初歩的な検査や初心者の施行する検査を指すのではなく，このように明確な目的のもとに施行される検査で高度な技術が求められる．いくら走査に熟練していてもスクリーニング検査の目的そして疾患を理解していなければ，それは単なる機械的な走査になる（表３）．
　スクリーニング検査のなかで，どこまでの情報を提供するかは，各施設の考え方を含め多くのご意見があるかと考える．我々は，第一選択の状況下で超音波検査が提供できる最大限の内容をスクリーニング報告と解釈している．
２．超音波スクリーニングの種類
　超音波検査を第一選択検査法とした場合，スクリーニングとはいってもその種類には「検診スクリーニング」と「慢性ウイルス性肝炎の定期検査スクリーニング」さらに「症状からみた各種のスクリーニング」など多く，その検査の内容には異なる部分がみられる（表４）．
1）検診スクリーニング
　検診スクリーニングでは，無症状を対象にして疾病を振るい分けるのが目的である．そこには検査が施行されるなかで，スキルアップするポイントとして①短時間で効率の良い走査を取り入れること，②見落としをしない走査技術であること，などがあげられる．
2）慢性ウイルス性肝炎の定期検査でのスクリーニング
　肝腫瘍スクリーニングでは，三ヵ月から半年間での定期検査で小さな早期的な病変（肝細胞癌）を発見するのが目的である．スキルアップするポイントには①肝萎縮や死角の多い条件下での工夫した走査技術を取り入れること，②複数の探触子を使いこなす走査技術であること，などがあげられる．
3）症状からみたスクリーニング
　症状からみたスクリーニングでは，その症状の原因となる疾患を見つけ出すことが目的になる．スキルアップするポイントには①病態生理を理解すること，②病態生理から考える症状の原因を検査の展開へ取り入れること，などがあげられる．

【スキルアップについて】
１．スキルアップとは
　最近では，能力向上や技能アップという言葉に昔ながらの固い精神論そして抵抗感があるようで気楽に受け入れやすくするためにもカタカナ文字である「スキルアップ」という用語が使われるようになってきた．
　スキル“skill”とは手腕，技量，また訓練によって得られる特殊な技能や技術のことである．
スキルアップは，自分（他）が明確な課題や目標を掲げて，それを達成できるように段階的・理論的に自分の能力を向上させることでもある．
２．スクリーニング検査のなかでスキルアップを目指す
　スキルアップを目指す一面からスクリーニング検査の段階を考えると第１～３段階に分けられる（表５）．第１段階は，①見落としをしない，②正診率を高める，③求められる情報を提供する，である．第２段階では，①超音波技術と診断レベルの向上，②この病気は有ると言えるか（疾患を確定できるか），③この病気は無いと言えるか（疾患を除外できるか），第３段階は，①人に教えられるスキルを持っているか，②相手に知識と技術を情報として伝える，である．特に第３段階の教わる側と教える側について考えてみると，教わる側は聞くことによって習得できるスキル，教える側は教えることにより習得できるスキルであり，教えるということは自分にスキルアップした知識がないとできないものである．

【検診スクリーニングで“みて，見て，診よう”】（表６）
　“みて”とは検査が施行されるなかでポイントになる，①検診特有の短時間で効率の良い走査のもとに進められる疾病の振るい分け，②見落としをしない走査技術，の構築である．
　超音波検査の走査手順は数多くの成書にさまざまな方法が述べられているが，最終的には見落としが無ければどのような順序でも良いかと考える．ただ，検診スクリーニングではその目的そしてスキルアップに短時間で効率の良い走査法があげられるので，そのためには一定の走査手順の組み立てがどうしても求められる．同時に，見落としをしない走査技術の組み込みも必要である．これらを満足するためにも加えて体位変換と体位変換によって生じる観察ポイント，さらに装置の条件設定にも注目して走査手順を作り上げ，検査を進めることが必要である．
　“見て”とは，みて，で描出して得られた病変について，その病変の判読を進めることである．胆嚢隆起性病変なら病変の壁への付着部の性状すなわち有茎性なのかあるいは広基性病変なのか，重要な判読ポイントになる．そして当然のことながら，今後は検診スクリーニングであっても病変の有無だけではなく，検診後の再検・経過観察その間隔にからむ質的な情報を提供することが求められるようになってくると考える．
　“診よう”とは単に疾患名を決めることではない．むしろ，見て，で得られた検査情報をもとに考えられる疾患（この疾患はある），否定できる疾患（この疾患はない），を根拠のもとに整理していく作業である．その結果において，情報が絞り込まれて根拠から導かされる判読（診断）となり“診よう”が完成される．ときには，スイッチ一つで機能する（実際には病変にあわせた装置の機能調整が必要であるが）ドプラ検査による血流情報を取り入れることも必要になってくる．
　これら “みて，見て，診よう”は，実際の検診スクリーニングの場において明確に分割されているものではない．むしろ，超音波検査で一連の流れを進める展開野なかに同時に混在しているかと考える．

【慢性ウイルス性肝炎の定期検査スクリーニングの“みて，見て，診よう”】（表７）
　“みて”とは検査が施行されるなかでポイントになる，①肝萎縮や死角の多い条件下での工夫した走査技術，②複数の探触子を使いこなす技術，の構築である．
　慢性ウイルス性肝炎の患者では慢性肝障害による肝萎縮がみられることも少なくなく，同時に肝萎縮と消化管ガス像の影響が加わると死角の多い条件下で描出できる部分が乏しく患者毎の工夫した走査技術が求められる．さらにマイクロコンベックスやセクタ探触子を取り入れた観察，同時に高周波探触子による肝表面付近を対象にした小さな病変の観察など複数の探触子を使いこなす走査技術もスキルアップのもと確実に求められる．
　“見て”とは描出して得られた病変について，その病変の判読を進めることである．定期検査スクリーニングのもとで描出される腫瘍は前回検査時の見落としがなければ当然のことながら小さく，普通に考えれば早期的な段階での病変である．肝細胞癌の早期的な病態像の理解から超音波像をみて検査を進めなければ走査に熟練していてもエコー像の解析判読は困難であり，この段階が，見て，ではなくて，みて，に戻ってしまうことになる．
　“診よう”では，見て，で得られた検査情報をもとに考えられる疾患，否定できる疾患，を整理していく作業であるが，同時にスクリーニングと言えどもその場でできる工夫によって判読（診断）をさらに向上させ “診よう”を完成させなければならない．見る，で得られた情報に付け加えられるものは，直接所見である腫瘍の血流情報と間接所見である．
　これらの“みて，見て，診よう”の流れも，一連の走査のなかで進められ当然のようにスキルアップした知識と技術が無ければ日常臨床のなかで超音波検査が途中で進められない状況に陥ることになる．

【症状からみたスクリーニングで“みる，見る，診よう”】
　“みて”とは検査が施行されるなかでポイントになる，①症状を生じる病態生理を考え理解すること，②病態生理から考える検査の展開を取り入れること，の構築である．
　症状からみたスクリーニングを理解するためには，症状に対しての問診や視診さらに触診そして解剖学と異常像の把握が最も大切である．そのうえで，例えば血尿なら腎臓に主病変があるのか，それとも膀胱の病変なのか，腎臓ならその原因となる異常像はあるかなど重要な判読ポイントのもと超音波検査が進められていく．
　“見て”とは，みて，で描出して得られた病変の判読を進めることである．症状のもとで描出されるエコー像は当然のことながら正常パターンとは異なるわけであり，普通に考えれば症状の原因病変像である．
　“診よう”は単に診断することではない．むしろ，症状で得られた検査情報をもとに考えられる疾患と否定できる疾患を迎合させながら検査が進められる．
【超音波検査のワンポイントを，みて，見て，診よう】
　ワンポイントであるが，検査のなかに潜む，みて，見て，診ようの“ひとコマ”を提示する．
１．初心者と経験者の検査姿勢には矢印部分に違いがみられる（図１）
２．探触子の円滑な動きはＰＣマウスを操作するようにトレーニング（図２）
３．肝左葉の描出は肝表面までの深さを一定にする（図３）
４．血便の症例，スクリーニングではどこまで報告するか（図４）
５．血便の症例，スクリーニングでもここまでは報告しておきたい（図５）
６．肝表面の観察には高周波探触子が必需品（図６）
７．腫瘍の発見時には画面を拡大して腫瘍の詳細情報を得る（図７）
８．急性胆嚢炎，ここまで“みて，見て，診よう”その報告内容について（図８）
９．肝外胆管に拡張がなくても結石は存在する（図９）
10．消化管の描出能を高めるための圧迫走査法（図10）
11．消化管の描出能を高めるための追跡走査法（図11）
12．小さな憩室周囲炎はコンベックスより高周波探触子で詳細情報が得られる（図12）
【まとめ】
　今回，超音波検査の，「みて，見て，診よう」を検査の入り口となる情報から病理診断までの過程に割り振りしないで，超音波スクリーニングという単一検査の項目について横方向に広げた展開のなかで導いてみた．
　日常臨床の場において第一選択検査法として用いられることが多い超音波スクリーニングであるが，その目的と対象が人間ドックや慢性ウイルス性肝炎の定期検査さらに症状からみた検査，そしてスキルアップまでを目指してみると検査の内容と進め方は大きく広がる．
　超音波スクリーニングの“みて，見て，診よう”とは装置の特性，人体の立体解剖，各種疾患の病態生理を理解したうえで「常に考えながら検査を進める」という最も基本に直結する奥深いテーマであると考えさせられた．


表１　みて，見て，診よう	表２　超音波検査の特徴は変化している

表３　超音波スクリーニングとは	表４　超音波スクリーニングの種類

表５　スキルアップを目指した腹部スクリーニング	表６　検診スクリーニングで，みて，見て，診よう

表７慢性ウイルス性肝炎のスクリーニングで、みて，見て，診よう




図１.初心者と経験者の姿勢の違い	図２.探触子の動きはＰＣマウスを操作するように

図３.肝左葉の描出は肝表面までの深さを一定にする	図４.血便症例でスクリーニング，検査の報告法は

図５.何が求められて超音波検査が依頼されているか	図６.慢性肝炎(HCV)の定期スクリーニングでのひとコマ

図７.腫瘍の発見時には画面を拡大して詳細情報を得る	図８.急性胆嚢炎では何を情報提供する

図９.肝外胆管に拡張がなくても結石は存在する	図10.消化管の描出能を高めるための圧迫走査法

図11.消化管の描出能を高めるための追跡走査法	図12.小さな憩室炎は高周波探触子で観察する

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研　　　究

肺に発生したコクシジオイデス症の１例
千葉大学医学部附属病院　病理部１）　検査部２）板倉　朋恵１）　堀内　文男１）　渡邊　正治２）

＜Key words＞ Coccidioides immitis，原発性肺コクシジオイデス症，輸入真菌症

【はじめに】
　わが国でのコクシジオイデス症患者は現在合計56症例報告されており，過去10年あまりで急激に増加している．原発性肺コクシジオイデス症はCoccidioides immitisの分生子を吸入する事により肺に感染を起こす．ほとんど無症状であるが，約40％近くは軽い感冒様症状を示し，自然治癒することも多い．しかしながら約0.5％の患者に内因性再燃を起こし，血行性に播種する事も知られている．うち約半数が死の転帰をたどる．本症の他，稀に皮膚に初発病巣を生じる原発性皮膚コクシジオイデス症，良性残留性コクシジオイデス症，播種性コクシジオイデス症などがある．C.immitisはカリフォルニア，アリゾナなど米国西南部やメキシコ西部などの限られた半乾燥地帯の土壌中に生息する(図１)．日本国内には存在せず，輸入真菌症として感染症法第４類感染症に指定されている．

【C.immitisの寄生形態と培養性状】
　環境条件により栄養発育状態を変換する二形性真菌である．自然界や通常の培養では感染力を有する分節型分生子：arthroconidium(樽型2.5～34～6)と解離細胞：disjunctor cellが交互に連なった菌糸の状態で存在する．解離細胞が変性，消失する事によって分生子が遊離し，風や振動で空中に舞い上がる．生体内および特殊な培養法では，分生子は球状体：spherule(直径40～200)を形成する．一定の大きさ(≧80)に達すると球状体内部には内生胞子：endospore(直径２～５)が形成される．内圧の上昇とともに球状体の壁が破れ，内生胞子が放出される．放出された内生胞子は腫大し，球状体への発育サイクルを繰り返す(図２)．分生子が体内に入ってから球状体を形成し，内生胞子が放出されるまで約５日程度である．球状体，内生胞子の状態では感染力はなく，人から人への感染は無いとされている．

【症例】
　30歳，男性．2007年検診にて胸部異常陰影を指摘され，2008年当院感染症治療部を紹介受診した．自覚症状は認めず．2003年より４年間米国留学し，アリゾナ州に在住．国内全土をまわりメキシコにも入国した．滞在中は軽い風邪をひいた事があった．胸部Ｘ線，CTにて右肺S6に14㎜の腫瘤影を認めた．渡航歴よりコクシジオイデス症を疑い，鑑別として結核，良性腫瘍，悪性腫瘍が考えられ，穿刺吸引細胞診および生検組織診施行するも確定診断には至らず，肺部分切除術を施行した．

【検査成績】
　白血球分画に軽度の変動が見られる他は血算，生化学的検査において特に特記すべき所見は認めなかった．　-Dグルカン，コクシジオイデス抗体は陰性であった(表１)．血清抗体価は感染１週間より陽性を示すが，病状の悪化と共に上昇，好転と共に低下していく．またCatanzaroらにより，全身性コクシジオイデス症であってもコクシジオイジンやスフェルリンなどの遅延型皮膚反応用抗原に対して無反応を示す例も報告されている．

【画像所見】
　胸部Ｘ線において右中肺野に円形，辺縁明瞭な腫瘤影を認めた(図３)．胸部CTにおいても同様の腫瘤影を認めた(図４)．

【手術材料肉眼所見】
　直径1.2㎝大，黄色，壊死を伴う結節性病変を認める．周囲には娘結節も認める(図５)．

【細胞所見】
　多量の壊死の中，埋もれるように数程度までの内生胞子，数十程度までの球状体を多数認めた(図６)．PAS反応およびGrocott染色にて一部に陽性を示した(図７)．

【組織所見】
　結節性病変内部はほぼ全体が壊死を呈し，周囲には類上皮細胞，多核巨細胞の出現を伴う肉芽腫の形成を認めた(図８-左)．内生胞子の充満した球状体や，放出された内生胞子および破裂したものなど各種発育段階の球状体を多数認めた(図８-右)．細胞診同様，PAS反応，Grocott染色陽性を示した．(図９)．

【考察】
　本症例では当初から渡航歴よりC.immitisの感染を強く考えていた為，培養は行わなかった．血清学的検査では抗体は陰性を示したが，検査成績の項で触れたように，陰性であるからといって感染を完全に否定できるものではなかった．他の感染症や腫瘍との鑑別の為，穿刺吸引細胞診および生検組織診施行するも，C.immitisの球状体もしくは内生胞子は確認できず確定診断は得られなかった．内因性再燃の防止，適切な治療の為にも外科的切除が望ましいと考え，肺部分切除術を施行し，確定診断に至った．
　臨床的に本症が疑われる検体は直接主治医が提出し，C.immitisが存在する可能性を口頭で伝える事が重要である．結核のように人から人への空気感染は無いものの，内生胞子や球状体の存在する喀痰や胸水などが環境へ飛散すると数日で分生子に変化し感染する恐れがある為，検体の取り扱いには十分注意する必要がある．確定診断には培養あるいは病理学的検査による確認が必要であるが，通常の培養検査では検査室内感染が起こる可能性があり，非常に危険である．C.immitisの分離，同定にはバイオセーフティレベル３以上の施設で行わなければならない．本症が少しでも疑われた場合は特定の研究機関に依頼する事が推奨され，感染症に詳しい専門家に指導を仰ぐことが望ましい．

【結語】
　本症例では病理学的検査により確定診断が得られた．鏡検にあたり，渡航歴，臨床情報が極めて重要であると思われた．

【引用文献】
1)国立感染症研究所,感染症の話,コクシジオイデス症,24,2003.
2)山口　英世,宮治　誠,西村　和子　共著：病原真菌学,第１版,南山堂,1987.
3)千葉大学医学部附属病院感染症治療部・ICT,コクシジオイデス症対応マニュアル（暫定）,2004.
4)K.MAKIMURA：Pathogenic Fungi Database,Endemic areas of coccidioidomycosis Created: 2000.01.07, Updated:2001.09.17.


図１　C.immitisの分布	図２　C.immitisの寄生環

表１　検査成績	図３　Ｘ線画像

図４　ＣＴ画像	図５　手術材料肉眼所見

図６　手術材料捺印細胞診	図７　拡大像および各種染色

図８　組織所見	図９　PAS反応およびGrocott染色

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研　　　究

2006年に経験した新生児GBS感染症３例について
千葉県こども病院検査部検査科澤田　恭子　　島津　沙織　　佐藤　洋子

＜Key words＞ GBS，新生児，重症感染症，血清型

Ⅰ　はじめに
　Group B Streptococcus（Ｂ群溶血性レンサ球菌；以下GBS）は，新生児における肺炎・髄膜炎・敗血症などの新生児重症感染症を引き起こすことが知られている．
　新生児GBS感染症は日齢７日以内に発症する早発型と，日齢８日以降に発症する遅発型に分類される１）．早発型の原因は垂直感染であり，呼吸障害がみられることが多い．また，遅発型の原因は主に水平感染であり，発熱や哺乳障害を初期症状として髄膜炎を発症することが多いとされる２）．その予後について保科らは，早発型の死亡例は194例中38例（20％），遅発型では62例中９例（15％）であり，両病型を合わせ死亡または後遺症を残した症例は256例中60例（23％）であったと報告している３）．
　GBSは莢膜多糖体の抗原性により10種類（Ia，Ib，Ⅱ，Ⅲ，Ⅳ，Ⅴ，NT6，JM9，7271，型別不能）の血清型に分類される４）が，特に新生児感染症の起炎菌としてIa型とⅢ型が問題になっている５）．
　今回，2006年に当院NICUに入院となった新生児GBS感染症３例について報告する．

Ⅱ　症例
《症例１》
患者：日齢０日．在胎35週２日．男児．経膣分娩にて出生．出生時体重2780g．
出生後の経過：出生後より多呼吸がみられ，呼吸障害を主訴に出生同日，当院入院となる．
入院時所見：表１に示す．
細菌学的検査：入院時に採取された血液，鼻咽頭粘液，気管内吸引物よりGBSが検出された．（表２，３）
臨床経過：入院後，気管内挿管された．その際，挿管チューブより多量の血性痰が吸引され，肺出血と診断される．抗菌薬ABPC+GMが開始される．入院翌日，前日採取された血液，鼻咽頭粘液，気管内吸引物よりGBSの発育が確認された．GBS肺炎より敗血症に陥り，敗血症性ショック・播種性血管内凝固症候群を発症し，肺出血・多臓器不全の状態になったものと診断された．髄液検査は，患児の状態が非常に悪いため施行されなかったが，髄膜炎の発症も予想された．そのため，抗菌薬が変更され，髄膜炎量としてABPC+CTXが投与された．さらに，　グロブリン投与も開始された．その後，CRPの低下がみられ，感染のコントロールは良好であったが，呼吸器症状の改善は不良であった．日齢４日，５日に交換輸血が施行され，呼吸状態に若干の改善がみられた．しかし，その後，再度全身状態悪化し，日齢８日よりBUNの上昇，腹部膨満の増強が認められ，消化管出血が示唆された．日齢10日には尿量保持が困難となり，全身の浮腫も増悪傾向となった．その後，全身状態は急速に悪化し，日齢12日，永眠された．
《症例２》
患者：日齢０日．在胎31週．男児．経膣分娩にて出生．出生時体重1752g．
出生後の経過：早産・低出生体重児のため，出生後ただちに当院へ搬送，入院となる．入院時，呻吟・陥没呼吸等の呼吸障害を認めた．
入院時所見：表１に示す．
細菌学的検査：入院時に採取された検体（鼻咽頭粘液・吸引痰・咽頭粘液・糞便）からはGBSは検出されなかったが，翌日採取された気管内吸引物・鼻咽頭粘液・臍よりGBSが検出された．（表２，３）
臨床経過：入院時より気管内挿管，人工呼吸管理が開始された．生後15時間頃より換気条件が悪化し，感染徴候とアシドーシスが認められた．感染症に対して抗菌薬ABPC+GMによる治療が開始された．また，交換輸血が１回施行された．CRPは日齢３日にピーク（14.86mg/dl）を示したが，その後低下し，日齢11日には陰性化した．症状は日齢３日より徐々に軽快し，日齢７日から経腸栄養が開始された．日齢14日には人工換気より離脱した．その後，哺乳・体重増加が順調に進み，経過良好で日齢68日，軽快退院となった．
《症例３》
患者：日齢１日．在胎38週５日．女児．経膣分娩にて出生．出生時体重2965g．
出生後の経過：出生６時間後より38℃の発熱と多呼吸がみられた．産院にて経過観察されていたが，発熱の持続と哺乳不良のため，日齢１日，当院入院となる．
入院時所見：表１に示す．
細菌学的検査：入院時に採取された血液，鼻咽頭粘液，臍，糞便よりGBSが検出された．（表２，３）
臨床経過：入院時の培養でGBSが検出され，GBS感染症・敗血症と診断される．髄液混濁が認められたため，抗菌薬は初回のみ髄膜炎量としてCTX+ABPCが投与された．その後，通常量でABPCのみ15日間投与された．髄液の培養検査では細菌は検出されなかった．CRPは順調に低下し，ミルク哺乳・体重増加も順調であり，日齢21日退院となった．
Ⅲ　考察
　新生児GBS感染症の感染経路は主に垂直感染である．種々の報告により，垂直感染として問題になる妊婦の膣におけるGBSの保菌率は8.7～21.7％，GBS保菌妊婦から児への伝播率は4.8％～16.0％とされている６）．また，脇本らも，GBS保菌妊婦から児への伝播率は12.0％７）であると報告している．新生児GBS感染症の発症率は0.016％～0.51％６）と低率とされているが，発症した場合には，死亡率や後遺症の発生率は高く，予後が悪い．そのため，感染予防が重要であるが，日本において，GBS感染症に関しての予防法は確立されていない．GBSの感染予防には，妊婦へのスクリーニング検査が重要であるが，日本における妊娠中のGBSスクリーニングの実施率は約50％６）である．
　今回の症例について，母体におけるGBSスクリーニング検査は，症例１・３では陰性であった．症例２では早産のため実施されていなかった．しかし，生後７日以内に発症していることより早発型に分類され，感染経路としては垂直感染が疑われた．分離されたGBSの血清型は，症例１・３はIa型，症例２ではIb型であった（表２）．新生児GBS感染症発症例の血清型は，Ia・Ib・Ⅲ・JM9型が多い６）とされており，今回検出されたIa型，Ib型もこれに含まれていた．
　当院で1999年12月以降に全身感染症より分離されたGBSの薬剤感受性検査の結果を表４に示す．どの株においても，ほとんどの薬剤で感受性を示している中で，tosufloxacin（TFLX）のMIC値が８　g/ml以上となった株が，今回の症例を含めて２株あった．小栗らが行った薬剤感受性検査の結果では，1995年～1996年に分離されたGBS，218株について，ofloxacin（OFLX）はすべて感受性であった８）．当院でのTFLX高値株は2003年と2006年に分離されており，この集計以降，耐性化が徐々に進行していると推測される．生方らは，2006年～2007年に侵襲性感染症由来株として収集されたGBS，151株のうちlevofloxacin（LVFX）耐性株は27％認められたと報告している９）．今後も，溶連菌のニューキノロン系抗菌薬に対する耐性化の進行が懸念されるため，その感受性の動向に注意が必要だと思われる．
　現在，新生児GBS感染症発症予防のため，妊婦の保菌株や新生児GBS感染症発症株の血清型と発症の関連，その病原性についての検討が行われている10）．新生児GBS感染症発症例は，当院では，今回報告した2006年の３症例の後，１例もみられていない．新生児GBS感染症は新生児における重症感染症として重要であるが，遭遇する頻度は低いと思われる．今後，新生児GBS感染症の菌株やデータが集積されることが，新生児GBS感染症の発症予防に重要であると考える．

Ⅳ　謝辞
　本症例において，GBSの血清型を検査して頂いた愛知医科大学看護学部の脇本寛子先生に深謝いたします．

文献
1) 三鴨廣繁：GBS感染症・性感染症の新しい展開.日本抗生物質協議会機関紙　vol.57(6)：17-24,2004
2) 保科清：Ｂ群レンサ球菌,図説産婦人科VIEW38母子感染（坂元正一総監修）.メジカルビュー社,東京　90-93,2000
3) 保科清,ほか：Ｂ群溶連菌感染症の現状.小児科臨床　42：1251-5,1989
4) 小栗豊子編：溶血性レンサ球菌の血清型別法.臨床微生物検査ハンドブック,三輪書店,東京,112-3,1996
5) 寺久保繁美,ほか：妊婦由来Ｂ群レンサ球菌の血清抗体保有状況.感染症誌　77：121-126,2003
6) 脇本寛子,ほか：GBSによる垂直感染に関する文献的考察.名古屋市立大学看護学部紀要　2：11-9,2002
7) 脇本寛子,ほか：Group B Streptococcusの垂直伝播予防.感染症誌　79：549-555,2005
8) 小栗豊子編：主要病原菌の薬剤感受性の現状.臨床微生物検査ハンドブック,三輪書店,東京,213-238,1996
9) 生方公子編：Ⅲ.　溶血性レンサ球菌.第19回日本臨床微生物学会総会　アナライザー・ワークショップ　侵襲性感染症とその検査に関する精度の検証,北里大学　北里生命科学研究所病原微生物分子疫学研究室,東京,20-42,2008
10) 脇本寛子,ほか：新生児GBS感染症敗血症/髄膜炎発症株と非発症株における型別法と薬剤感受性試験の比較検討.第41回レンサ球菌感染症研究会抄録

＜表１＞　入院時検査所見

＜表２＞　分離されたGBSの血清型

＜表３＞　薬剤感受性結果

＜表４＞　当院で全身感染症より分離されたGBSの血清型・薬剤感受性結果

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施設訪問

東京慈恵会医科大学附属柏病院

今回の施設訪問は，千葉県柏市に位置いたします，東京慈恵会医科大学附属柏病院を訪問させていただきました．

病院全景

【沿革】
　東京慈恵会医科大学附属柏病院は，東京新橋の附属病院本院，東京葛飾の青戸病院，調布狛江の第三病院につぐ，４か所目の東京慈恵会医科大学附属病院として，昭和62年４月に千葉県柏市に開設された624床（平成21年３月１日現在の届出病床数）の病院です．
　東京慈恵会医科大学の建学の精神である「病気を診ずして病人を診よ」をもとに，柏病院の基本理念である「地域に根付いた病院」を目標に24時間体制での救急医療と，地域の医療機関との連携をめざして運営されているとの事です．また，地域がん診療連携拠点病院の指定を受けておられます．

吉田部長

【中央検査部】
　中央検査部は，吉田博診療部長，堂満　憲一技師長を筆頭に，技師26名，事務員１名で構成されているそうです．今回は堂満憲一技師長，鈴木恒夫技師長補佐のお２人に，お忙しいなかご案内していただきました．
　中央検査部は病院２階に位置しています．検査受付を中心に，採血・採尿室，生理検査部門があり，その奥に検体検査・輸血検査部門のフロアがあり，隣り合ったワンフロアーにすべての部門が位置していて，機能的な配置ではないかと思いました．また検体検査・輸血検査部門はとても広いスペースで，お仕事をなさっていました．
　中央検査部では，採血業務は部門に関係なく全員で実施されているそうです．外来採血は，特殊な例を除き１日約400人の患者の採血を実施しているそうです．また，朝の病棟採血は，８:15～10:00の間各病棟にサテライト的な採血室を設け，その採血室まで移動できる患者の採血を，２～３名の技師で行っているそうです．時には，外来・病棟採血で職員の半分が出払ってしまうこともあるそうです．
　また，病院は土曜日も外来診療を行っている為，土曜日の勤務もフルタイムということでした．夜間は当直体制，休診日は日・当直体制をとっており，検査部は24時間体制で検査業務を行っています．当直明け，日曜日勤務の代休，通常の指定休日の為，毎日かならず何名かは休みということでした．
　各検査項目の中には検査会社への外注検査のほかに，新橋の本院で検体を集約して，検査を実施している項目もあるとのことでした．このことでかなり検査経費の削減が図れるとの説明がありました．昨年，地域がん診療連携拠点病院の指定を受けられたときには，東京西新橋の本院で集約して行っていた腫瘍マーカーの一部項目を柏病院内で実施するようになり臨床及び患者サ－ビスの向上に繋がっているとのことでした．

　細菌検査室は陰圧に保たれた部屋のため，奥まったところに位置していました．感染対策委員会への参加，週１回の感染情報の報告などなさっておられるとのことでした．
　次に生理検査部門へ案内していただきました．検体検査部門と廊下を挟んで隣に位置しており，中廊下で職員の動線が確保されていて，その周りに心電図，呼吸機能，脳波，筋電図，超音波等の各検査室が配置されていました．興味深かったのは，超音波検査の領域で腹部，表在臓器領域は放射線部，循環器，血管領域は中央検査部というすみわけでした．
【病院病理部】
　病院病理部は病院１階に位置しており，平成20年度より標榜化され診療部門として位置づけられたとのことでした．今回，病理部は石井　幸子主任にご案内していただきました．病理部は認定病理医３名，臨床検査技師5名（うち細胞検査士４名）で構成されているそうです．なお，中央検査部と病理部は大学の組織上では別組織であるとのことでした．
　病理で扱う検体数は，年間組織診9300件(術中迅速診断含む)，細胞診10000件，剖検23件．手術部門が３階に位置しているため，標本の撮影や，固定のための設備が手術室の近くにも整備されていました．検体数が多く多忙な毎日ですが，病理部のみなさん全員の一致団結した協力のもと業務に励んでいらっしゃるとのことでした．
【終わりに】
　今回はお忙しいところ，中央検査部　堂満技師長，病理部石井主任をはじめ職員の皆様ありがとうございました．今回の取材で，検査部，病理部全体のチームワークのよさを感じることができました．624床の病院の各検査業務をこの人数の行っているのも，このチームワークのおかげではないでしょうか．
　なお，平成21年３月31日付で堂満技師長が定年退職，鈴木技師長補佐が人事異動で本院に異動され，４月１日より新たに小池優技師長，木杉玲子技師長補佐が赴任されました．
　（福田　憲一，丸子　孝之，平田　哲士）

中央検査部受付

採血受付

採血室

検体検査部門全景

採血管準備装置

迅速検査室（血液）

迅速検査室（免疫）

迅速検査室（感染症）

迅速検査室（生化学）

輸血検査中

迅速検査室（尿沈渣鏡検中）

細菌検査室（同定・感受性検査機器）

細菌検査室（安全キャビネット）

生理機能検査室（心電図検査）

生理機能検査室（呼吸機能検査）

生理機能検査室（脳波操作室）

生理機能検査室（心臓超音波装置）

病理検査室（鏡検室）

病理検査室（自動染色・包埋装置）

病理検査室（薄切室）

病理検査室（切り出し室）

堂満技師長（中央）・中央検査部の皆様

病理医の先生と病理部の皆様

生理検査部門の皆様

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研究班紹介

一般検査研究班の紹介
東邦大学医療センター佐倉病院ＭＣＭ　安　藤　　　正

　一般検査研究班は現在６人で活動しています．認定一般検査技師３名，細胞検査士１名を擁し，６人全員が他部門経験者です．一般検査以外出来ないなんてヤワな技師ではありません．来年度から，新たに３人の若く有望な技師に加わって頂き，今まで以上にフレッシュでエネルギッシュな内容の濃い研究班活動を展開して行きます．ご期待下さい．
　近年，当直業務に尿沈渣，髄液検査を実施する施設が増えて来ました．研修会の参加者も以前は若い技師がほとんどでしたが，最近は若い技師に加えて，技師長クラスの方も参加されています．「当直帯に沈渣を見る事になって・・・」「後輩に教わるのも躊躇するので・・・」「もう一度一般を学びたい・・・」等々，参加目的は違いますが，皆さん一般検査を学びたい，覚えたいと言う方ばかりです．そんな熱い思いに答えるべく，我々は研修会のテーマ，講師を話し合って決めています．しかし，講演をお願いするからには，講師の先生にお礼をしなければなりません．技師会からの年間活動費，研修会の参加費でこれらを賄うのは大変です．そこで，一昨年から我々研究班員が講師を務める様にしています．経費節減はもちろん，研究班員のレベルアップを図る事にも繋がります．スライドを作って，時間配分を考えて，話す内容を考え，何回も練習して，質問の回答を用意してetc．．．．講演するにはそれなりの準備が必要です．本に書いてある事を話すだけでは参加者には伝わりません．そのための勉強をしなければなりません．内容は，基本重視です．日常遭遇する所見，症例です．稀な例，年に１回有るか無いかの症例も良いですが，やはり研修会は即実践で使えなければ意味がないと思いますので，その辺を考慮した内容になっています．これからも，実践に即した研修会を開催して行きますので，熱く語る研究班員の話を聞きに来て下さい．
　平成22年の２月には，関甲信学会が幕張メッセで開催予定です．近々，演題募集のお知らせが届くと思います．こちらへも是非エントリーして下さい．

　最後に研究班員の紹介を致します．

氏　　　名	生まれ	星　座	血液型	趣　味	モットー
班　長　安藤　　正	1961.４	牡牛座	Ｂ型	少年野球	解らないで終わらない
副班長　渡邊　一博	1957.５	牡牛座	Ａ型	海釣り，スポーツ観戦	人事を尽くして天命を待つ
会　計　西周　裕晃	1972.８	乙女座	Ｂ型	ヒ・ミ・ツ	格物究理
委　員　古谷　公英	1967.２	水瓶座	Ａ型	ドライブ	楽しみを見つけて取り組む
委　員　三谷智恵子	1967.５	牡牛座	Ａ型	写真，絵画	とりあえずやってみる
委　員　森　　修治	1966.12	射手座	Ｏ型	天気予報	賢人はいつでも一生懸命！

文責：班長　安藤　正（東邦大学医療センター佐倉病院ＭＣＭ）

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コーヒーブレイク

「電脳都市空間　千葉市」， ―エンハンスメント論―
千葉県臨床検査技師会々員加　藤　恵　一

　カオスとハイテクが交雑する「電脳都市，千葉市」．これは1980年代に台頭してきたＳＦ小説界の一大潮流である「サイバーパンク」を代表するウィリアム・ギブスンの小説「ニューロマンサー」での主要な舞台となっている都市，“千葉シティー”である．このサイバーパンクとは，スタートレック，スターウォーズなどのスペースファンタジー，スペースオペラ小説に対するカウンターブロックともいえるものである．Cyberneticsとpunkとの合成語であり，反体制的（パンク）なテーマを含み，コンピューターネットワークと脳（意識）や身体を直結し，サイバースペース（電脳空間）で様々な仕掛け，ガジェットをもってスプロールして行く．
　小説「ニューロマンサー」では，サイバースペースに自己とコンピューター端末を接続し，防御プログラムを掻い潜りながら企業情報などを盗むコンピューター・カウボーイと称されるハッカーの話である．押井　守「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」やこれにインスピレーションされたといわれるウォッシャウスキー兄弟の「マトリックス」など以後のＳＦ小説，映画に多くの影響を与え続けている．
　ＳＦ小説や映画の世界だけではなく今やＢＣＩ（Brain Computer Interface）やＢＭＩ(Brain Machine Interface)という脳と機械を直接つないで相互に作用させるシステムの研究が進んでいる．脳に信号を送り感覚を生起する感覚入力型ＢＭＩとして聴覚障害を持つ方達への人工内耳の埋め込み手術はすでに実用化されている．直接操作型ＢＭＩとしては脳神経外科領域でのパーキンソン病に対する治療法の一つである脳深部刺激法（Deep Brain Stimulation;ＤＢＳ）が知られている．現在多くのＢＭＩ研究は何らかの身体的障害の補完を目的としているが，これに留まらず機能拡張に発展させうる研究もあり，これら脳神経系への介入には人格への影響の懸念から脳神経系の治療，強化をめぐる倫理（ニューロエシックス）の重要性が指摘されている．昨年（2008年）１月には「人間改造のエシックス（倫理）ブレインマシンインターフェイスの未来」と題したニューロエシックスに関する国際シンポジウムが京都大学で開催され，生命倫理の原則論からの解釈が注目を集めているところである．また近年ではこの様な技術が身体や精神（心）の様々な機能に介入する可能性がある中，我々の持つ心と身体の「正常」という概念が時代の変遷に沿う形で大きく揺らいでいる．2003年，米国大統領委員会における報告書「Beyond Therapy ;Biotechnology and the Pursuit of Happiness（治療を超えて，バイオテクノロジーと幸福の追求）」レオン・Ｒ・カス編著の公表後，エンハンスメント（enhancement，能力増強）に関する議論が特に活発となった．このエンハンスメントは「健康の回復という目的を超えて能力や性質の改善を心身に治療目的でない医学的な介入をすること（増強的介入）」と言われている（松田　純；静岡大学教授）．運動選手の運動能力向上のためのエリスロポエチンの使用や気分改善，集中力アップのための向精神薬プロザックやリタリンの服用，背丈伸長のための成長ホルモン剤，あるいはその例が一番多いと思われる美容整形手術などが列記される．さらには着床前診断による出生児の性別選択や親が良質と思われる資質を持たせようとする子供の出生に関する研究もある．このような議論は部分的であれ先端技術を背景とする社会思想とその社会の要請とが合致している場合に生じて来る．生命の質，人生の質があくまでも現在から派生するものであれば，エンハンスメントに関する「自己決定権」の現在の在り方も問われている．
　人間は昔から自らのために環境を造り変え，農作物や家畜などに対しても，より良い品種への改良・工夫を重ねてきた．今度はその矛先を自らに向け始め，滑り出したら止まらないスリッパリー・スロープを下り始めているのではないだろうか．ここで問題としているのは，機能が低下した時にそれを回復させるための治療（あえて言うなら消極的改造）と人間本来の備えている能力以上の機能を持とうとする（積極的改造）場合の区別である．実際には継続的な連続する治療の中では，二者の区別は難しいものがあるが，エンハンスメントを当初の目的とする場合に人間の本質的な在り方を動揺させるような側面が生じる可能性への問いかけである．人間が良好な心身で永く生き続けたいと願う思いや，漠然ではあるが常に誰もが抱かざるを得ないような存在への不安に対してこのエンハンスメントはどのような答えを用意してくれるのだろうか．今後も科学・医学技術はその進化の歩みを止めることはないであろうし，人間にとって利用可能と思える技術は益々増えていくに違いない．こうした紛れもなく発展し続ける技術は人間についての知見に関し，倫理的な問題を内に含みながら積み重ねて行かなければならない．エンハンスメントのひとつの大きなテーマは，その介入がどの様な形で人間に還元され社会に影響を及ぼすのか，その功罪を深くかつ慎重に考察を進めて行かなければならないことだと考える．

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表１ みて，見て，診よう

表２ 超音波検査の特徴は変化している

表３ 超音波スクリーニングとは

表４ 超音波スクリーニングの種類

表５ スキルアップを目指した腹部スクリーニング

表６ 検診スクリーニングで，みて，見て，診よう

表７慢性ウイルス性肝炎のスクリーニングで、みて，見て，診よう

図１.初心者と経験者の姿勢の違い

図２.探触子の動きはＰＣマウスを操作するように

図３.肝左葉の描出は肝表面までの深さを一定にする

図４.血便症例でスクリーニング，検査の報告法は

図５.何が求められて超音波検査が依頼されているか

図６.慢性肝炎(HCV)の定期スクリーニングでのひとコマ

図７.腫瘍の発見時には画面を拡大して詳細情報を得る

図８.急性胆嚢炎では何を情報提供する

図９.肝外胆管に拡張がなくても結石は存在する

図10.消化管の描出能を高めるための圧迫走査法

図11.消化管の描出能を高めるための追跡走査法

図12.小さな憩室炎は高周波探触子で観察する

図１ C.immitisの分布

図２ C.immitisの寄生環

表１ 検査成績

図３ Ｘ線画像

図４ ＣＴ画像

図５ 手術材料肉眼所見

図６ 手術材料捺印細胞診

図７ 拡大像および各種染色

図８ 組織所見

図９ PAS反応およびGrocott染色

＜表１＞ 入院時検査所見

＜表２＞ 分離されたGBSの血清型

＜表３＞ 薬剤感受性結果

＜表４＞ 当院で全身感染症より分離されたGBSの血清型・薬剤感受性結果

病 院 全 景

吉田部長

中央検査部受付

採 血 受 付

採 血 室

検体検査部門全景

採血管準備装置

迅速検査室（血液）

迅速検査室（免疫）

迅速検査室（感染症）

迅速検査室（生化学）

輸血検査中

迅速検査室（尿沈渣鏡検中）

細菌検査室（同定・感受性検査機器）

細菌検査室（安全キャビネット）

生理機能検査室（心電図検査）

生理機能検査室（呼吸機能検査）

生理機能検査室（脳波操作室）

生理機能検査室（心臓超音波装置）

病理検査室（鏡検室）

病理検査室（自動染色・包埋装置）

病理検査室（薄切室）

病理検査室（切り出し室）

堂満技師長（中央）・中央検査部の皆様

病理医の先生と病理部の皆様

生理検査部門の皆様

表１　みて，見て，診よう

表２　超音波検査の特徴は変化している

表３　超音波スクリーニングとは

表４　超音波スクリーニングの種類

表５　スキルアップを目指した腹部スクリーニング

表６　検診スクリーニングで，みて，見て，診よう

図１　C.immitisの分布

図２　C.immitisの寄生環

表１　検査成績

図３　Ｘ線画像

図４　ＣＴ画像

図５　手術材料肉眼所見

図６　手術材料捺印細胞診

図７　拡大像および各種染色

図８　組織所見

図９　PAS反応およびGrocott染色

＜表１＞　入院時検査所見

＜表２＞　分離されたGBSの血清型

＜表３＞　薬剤感受性結果

＜表４＞　当院で全身感染症より分離されたGBSの血清型・薬剤感受性結果

病院全景

採血受付

採血室