設問 1

社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班

32歳、女性 腹部痛で来院した患者尿である。尿沈渣中に見られた矢印に示す成分について判定してください。

尿定性検査:pH7.0 比重1.014 蛋白(±) 潜血(+) 白血球(+)

設問 1-1 無染色400倍

設問 1-2 Sternheimer400倍


正解:扁平上皮細胞の核(裸核)
解説:写真に示す細胞は、S染色で核が青く染まりしわを認めることから表層部扁平上皮細胞の裸核と判定される。
裸核は、エストロゲン分泌期に膣内細菌が増加するが、デ−デルライン桿菌の代謝産物である乳酸により扁平上皮細胞の細胞質が溶解し核だけが残ったものである。白血球大であるため、白血球と誤認しないよう注意する必要がある。細胞としての形態が残っていないので細胞としてカウントしなくてよい。

佐瀬正次郎(総合病院国保旭中央病院)

回答集計 (参加98施設) 施設数
扁平上皮細胞の裸核 47 48.0
白血球 48 49.0
リンパ球 1 1.0
ランブル鞭毛虫 1 1.0
ウィルス感染細胞 1 1.0


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