設問 7 |
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社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班
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正解:鞭虫卵 Trichuris trichiura |
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解説: 虫卵の大きさと、両端に栓のある特徴より鞭虫卵と判定した。 鞭虫は世界中に分布し、日本では近年減少がみられるが、全国の農村部とくに日本海側に多くみられる。虫卵の大きさは長径50-54μm、短径22-23μm、黄褐色で卵殻は厚く両端に栓がある。 形はグラタン皿様、岐阜提灯様で卵内容は1個の卵細胞である。成虫は雄30-45mm雌 35-50mmで、体の3/5はきわめて細い。成虫は盲腸、虫垂に寄生する。 外界に排泄された虫卵は、適温、適湿下で幼虫包蔵卵となる、ヒトはこれを経口摂取して感染する。 少数寄生では無症状のことが多く、多数寄生すると盲腸部の炎症、下血、貧血、食欲不振などがみられる。検査は便より虫卵を検出して診断する。産卵数が少ないので、集卵法(AMSIII法、MGL法)がよい。駆虫にはメダンダゾールを用いる。 本症例は、虫体より得られたため自然排泄された虫卵と違い、未成熟で、卵殻が薄く、色調もやや薄いと思われる。 |
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解説 7-1 内視鏡時得られた虫体 無染色40倍 ↑虫卵の集塊 ↑虫体の細い部分 ↑虫体の太い部分 |
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千臨技 一般検査研究班ホームページに『寄生虫アトラス』がありますのでご参考にして下さい。 | ||||||||||||||||||||
渡邊 一博 (国保松戸市立病院) | ||||||||||||||||||||
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