症例 解答2

Copyright:(C) 2004 Chiba Association of Medical Technologists. All rights reserved.
ホームページで公開している文章や画像などの著作権は社団法人千葉県臨床衛生検査技師会に帰属します。
これらの文章や画像を社団法人千葉県臨床衛生検査技師会の承諾なしに複製、他の電子メ
ディアや印刷物などに再利用することはできません。

細胞学的所見;ライトグリーン好性の細胞質を有し、円形〜楕円形の核異型を伴う扁平上皮細胞が孤立散在性に出現している。核は濃染性で、クロマチンの不均等分布および核縁の肥厚を呈している。細胞質は重厚感があり、一部の細胞では細胞質に層状構造を認める。ライトグリーン好性細胞に混じてオレンジG好性の核異型細胞も出現しているが、厚みのある細胞質は彩度が高く光輝性である。これらの扁平上皮細胞は病巣表面の癌細胞によく類似している(組織像参照)。

解答; 5:E判定

トップページに戻る

症例 解答1へ

鑑別診断;異形成との鑑別が重要であるが、高度異形成と比較すると、核クロマチンの不均等分布や核縁の肥厚が著明であり、また細胞質の重厚感あるいは光輝性においても癌の推定は可能であると思われる。さらに浸潤癌と比較すると、細胞の大きさは比較的均一であり、核内構造が不明瞭なほど変性している細胞は少なく、背景に壊死を伴わない。以上より早期の扁平上皮癌と推定される。