設問 6

社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班

75歳 男性、血尿、排尿痛を主訴に泌尿器科を受診した患者尿である。
尿沈渣中に見られた成分について判定してください。
尿定性検査成績:pH7.5 蛋白(-) 糖(-) 潜血(2+)


無染色 400倍

Sternheimer染色 400倍
正解:移行上皮細胞

解説:無染色にて多核で大型の細胞がみられる。細胞質の色調は黄色調で、表面構造はザラザラしている。
また、S染色での染色性は良好で10個の核を有する細胞であることから、移行上皮細胞と判定される。
 膀胱結石と診断された患者尿であった。多核の移行上皮細胞は、結石やカテーテル挿入など物理的障害、
非特異的炎症などにより出現することがある。異型細胞との鑑別は、N/C比が低いこと、核小体はやや目立つ
もののクロマチンの増量を認めないことである。

解説:西周 裕晃(公立長生病院)


解答集計 (参加94施設) 施設数
移行上皮細胞 73 77.7
多核移行上皮細胞 9 9.6
反応性移行上皮細胞 9 9.6
多核巨細胞 1 1.1
多核上皮 1 1.1
異型細胞 1 1.1


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