設問 1 |
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社団法人千葉県臨床検査技師会 一般検査研究班 |
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72歳、男性。血尿を主訴に来院した患者尿である。 矢印で示す細胞を判定してください。 定性検査成績:pH7.5 蛋白(2+) 糖(−) 潜血(2+) |
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無染色 400倍 | Sternheimer染色 400倍 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
正解:尿細管上皮細胞(円形・類円形型) 解説:このような円形の細胞は、移行上皮細胞、円柱上皮細胞などと類似した形態を示すが、細胞質は移行上皮に比べ灰白色で薄く、円柱上皮に比べ粗い。核はやや偏在性で、膨化状で丸い。細胞質の一部に空胞状を呈し、リポフスチン顆粒が見られる。S染色では円柱様成分に封入・付着している点などから円形・類円形の特殊型尿細管上皮細胞である。核増大や核小体肥大を示す場合は、腺癌細胞との鑑別が重要であるが、核は膨化状で丸く、クロマチンの増量を伴わない点など細胞を注意深く観察する事で鑑別は可能である。 又、結晶成分を取り囲む様に見られる事も少なくなく、孤立散在性に見られる事もあるが、多くは放射状、花冠状の集塊で出現する。背景に塩類や結晶が見られた場合は注意が必要である。急性尿細管壊死後の再生期、慢性腎炎、慢性腎不全などで出現するとされている。 |
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解説:安藤 正(君津中央病院) |
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