IMPCは細胞異型、核クロマチンの増量、筋上皮細胞を伴わない等の点で良性病変とは鑑別可能である。管状癌は細胞異型が弱く、管状構造を反映した細胞集塊でみられる。乳頭腺管癌は乳頭状や腺腔形成が特徴で、間質の増生はみられず乳頭状構造や篩状構造がみられる。また低乳頭亜型が存在するが、結合性の強いシート状集塊から乳頭状突出する像を反映する点でIMPCと鑑別可能と考える。IMPCは腋窩リンパ節転移が72~77%と高率を示し1)、IMPCの組織内での多寡を問わずIMPCの形態を少量でも有するものは悪性度が高い2)と言われているため、細胞診でその細胞学的特徴を認識し早期に判定することは重要である。
1)Ellis,I.O.,Schnitt,S.J.,Sastre-Garau,X.,Bussolati,G.,Tavassoli,F.A.,et al.:Invasive micropapillary carcinoma. In:Tavassoli,F.A.,Devilee,P.,eds. World Health Organization Classification of Tumours: Pathology and Genetics of Tumours of the Breast and Female Genital Organs.Lyon:IARC Press, 2003;35-36.
2)津曲幸二,坂元吾偉,秋山太,霞富士雄:乳腺のInvasime micropapillary carcinomaの病理診断と臨床意義:乳癌の臨床16(5):441-447,2001
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