1.真の値(true value)
測定量の正しい値。実際には求められないので認証標準物質の標準値、または、基準法で得られた値を真の値とみなす。

2.誤差(error)
測定値から真の値を引いた値。

3.系統誤差(systematic error)
測定結果にかたよりを与える原因によって生じる誤差。系統誤差には、比例系統誤差(proportional systematic error)と一定系統誤差(constant systemati error)がある。

4.偶然誤差(random error)
突き止められない原因によって起こり、測定値のばらつきとなって現れる誤差。

5.かたより(bais)
測定値の母平均から真の値を引いた値。

6.ばらつき(dispersion)
測定値の大きさがそろっていないこと。ばらつきの大きさを表すには、例えば標準偏差を用いる。

7.不確かさ(uncertainty)
測定値の真の値が存在する範囲を示す推定値。

8.  精密さ(precision)
ばらつきの小さい程度。標準偏差や変動係数で表した値を精密度という。

9.  日内精密度:SD(within-day precision)
同一と見なせるような測定試料について、同じ方法を用い、同じ試験室で、同じオペレータが、同じ装置を用いて1日の内に独立な測定結果を得る測定条件による精密度。

10. 日間精密度:SDA(between-day precision)
同一と見なせるような測定試料について、同じ方法を用い、同じ試験室で、同じ装置を用いて日間にわたって独立な測定結果を得る測定条件による精密度で、日内変動による成分を除いた精密度。

11.  総合精密度:SD
日内精密度と日間精密度を合わせたもの。

12.  正確さ(accuracy)
かたよりの小さい程度。推定したかたよりの限界の値で表した値を正確度という。

13.  血清標準物質(serum reference material)
血清そのものを組成とした標準物質で、特性値が基準法、実用基準法、常用基準法のいずれかによって決定されるもの。

14.  標準値(reference value)
標準物質の特性または組成等を調整者が表示した値。

15.  個体内生理的変動の標準偏差(standard deviation of within-subject biological variation、SDw)
健康な個人が生理的に示す平均的な変動の大きさを標準偏差で表したもの。

16.  医学的意思決定濃度(medical decision level)
臨床医が診断や病態鑑別、治療開始の意思決定を行う上で重要な物質や成分の濃度。

17.  許容誤差限界(allowble limit of error)
医学的に許容できると判断される誤差の限界。

18.  基準法(definitive method)
測定原理的に誤差が最低の水準におさえる測定法で、これは理論的にも実験的にも証明されている方法。

 

19.  実用基準法(reference method)
測定体系上基準法に次ぐ測定法であり、十分に研究され必要条件ならびに手順が明確に記述され、目的とする用途に相応した正確さと精密さをもった値が得られる測定法。

20.  日常一般法(field method)
日常検査で多数の試料測定に適用できる測定法。

21.  被検法(test method)
評価の対象となる日常一般法。

22.  比較対照法(comparative method)
正確さを評価するときの基準になる方法。一般にこれを基準法あるいは実用基準法であるが、認証された基準法に対して正確さがトレーサブルな日常一般法もこれに準ずる。
 

23.  検出限界(detectionlmit、detection of limit;DOLともいう)
検出限は、その測定法で、一定の確率で盲検から区別できる最小測定単位で、その大きさを濃度または他の数値で表したものをいい分析装置、試薬の性能に起因する。

24. n=20以上で、盲検の平均値十3SD(または2SD)の値が、低値試料の平均値一3SD(または2SD)の値とオーバーラップしないときの低値試料の平均値。

25.  干渉物質(interferent)
干渉物質は、測定において実試料中に共存し、測定値を変化させる可能性がある目的成分以外の成分。

26. 直線回帰式(古典的回帰式)
直線回帰式は、x軸側には誤差はない、またはy軸に比較して無視できる場合を想定した最小2乗法によって求めた回帰式。

27. 直線関係式(線形関係式)
直線回帰式に対し、x軸側にも誤差が存在する事を仮定した回帰式。正確さを評価する際の比較対照との比較実験のときに使用する。