設問 2

社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班

5歳 男性。数日前から38.0度の発熱があり食事や水分補給も出来ない状態が続いていた。朝方から吐き気をもよおし尿もわずかしか出ず赤みを帯びていたため近医を受診した。尿路感染症を疑い導尿により尿を採取し検査行ったところ写真で示す細胞が多数認められた。矢印で示す成分を判定してください。

尿定性検査成績 蛋白 (+1)、ケトン(+4)、白血球(―)、pH 5.0、比重1.038

設問 2-1 無染色400倍

設問 2-2 無染色400倍

設問 2-3 S染色400倍

正解 円柱上皮細胞

解説 設問2-1の細胞はシート状配列を上から見た細胞像で移行上皮と比較し、細胞の表面構造が均質状を呈し色調は灰白色である。設問2-2、2-3は、一端が平坦な円柱状の細胞が柵状配列をしており核が楕円形で核内構造は細顆粒状であることから円柱上皮細胞である。
円柱上皮細胞は、カテーテル挿入時の機械的刺激や尿道炎、前立腺炎、前立腺肥大、前立腺マッサージ後や回腸導管による尿路変更術後の尿中に認められる。また、生理中や子宮癌検診後の女性尿中に赤血球や白血球と一緒に混入することがある。
佐瀬 正次郎(総合病院国保旭中央病院)

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