設問 1

社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班

18歳 男性、学校検診で蛋白陽性を指摘され腎臓内科に受診時の尿沈渣である。
矢印で示す成分を判定してください。

尿定性検査:pH6.0 糖(−) 蛋白(2+) 潜血(±) 

設問 1-1 無染色400倍

設問 1-2 Sternheimer400倍

設問 1-3 無染色400倍


正解:尿細管上皮細胞(角錐、角柱型)

解説:設問1-1、1-2は尿細管上皮細胞角錐、角柱型の側面像であり、1-3は立体構造の正面像である。灰白色で立体感があり、細胞辺縁は不明瞭である。両端はほぼ平行で、基底膜側の細胞質が内腔側に比べて広い角錐台を示す。主に遠位尿細管上皮由来が考えられる。尿細管上皮細胞は、近位尿細管からヘンレの係蹄、遠位尿細管、集合管の内腔を覆う単層の上皮細胞で、本例のような慢性糸球体腎炎やネフローゼ症候群、糖尿病性腎炎などの慢性経過を示す腎疾患や、腎虚血、薬物による中毒性成因による急性尿細管壊死により尿中に出現し、多彩な形態を示すため鑑別が重要である。

 解説:伊瀬 恵子(千葉大学医学部附属病院)


回答集計
(参加83施設) 施設数    
尿細管上皮細胞 80  96.4
扁平上皮細胞 3  3.6


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