設問 7

社団法人千葉県臨床衛生検査技師会 一般検査研究班

45歳 男性、インド渡航歴あり。下痢・腹痛のため内科を受診。受診時の糞便の標本である。矢印で示す成分を判定してください。

設問 7-1 無染色200倍(直接塗抹)

設問 7-2 ヨード染色拡大

正解:ジアルジア(Giardia lamblia)(ランブル鞭毛虫)

解説:この原虫は、全世界に分布し、主として小腸、特に十二指腸に寄生する。少数寄生では無症状のことが多いが、多数寄生では下痢を主症状とするジアルジア症を起こし、腹痛、鼓腸、食欲不振、時として発熱、胆嚢炎症状を発症することがある。
 写真のようなシストは有形軟便中に見られることが多く、栄養型は下痢便や十二指腸採取液から検出されることが多い。糞便とともに排泄されたシストが感染源となるので、取り扱いには十分注意する。駆虫薬はフラジールが有効である。

蛍光抗体法


栄養型の動画は、千臨技一般研究班のホームページ上で見ることができます。


解説:古谷 公英(順天堂大学医学部附属浦安病院)


回答集計
(参加81施設) 施設数  
ジアルジア 68 84.0
(ランブル鞭毛虫)
蟯虫卵 6 7.4
赤痢アメーバ 3 3.7
ヨードアメーバ 2 2.5
東洋毛様線虫卵 1 1.2
クリプトスポリジウム 1 1.2



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