同定問題　解答・解説

問題

解説

1

4： ヘルペス感染細胞

核圧排像を示す多核細胞。核縁へのクロマチン凝集がみられ、核内好酸性封入体を認める。

2

1：小細胞癌

小型異型細胞が互いに押し合うような木目込み配列を呈し上皮性結合を示している。Ｎ／Ｃ比は高く、核内クロマチンの増量、小型核小体を認める。

3

5：扁平上皮癌

背景に壊死物質を伴い散在性に出現する異型細胞を認める。細胞質は厚くオレンジＧに染まりオタマジャクシ様を呈している。核クロマチンは濃染し核形不整である。

4

1：角化型扁平上皮癌

背景は好中球を主体とした炎症細胞、壊死物質が出現。細胞質がオレンジＧ好性、同心円状の構造を持つ多形性細胞が、孤立散在性にみられる。クロマチンは不規則に凝集・濃染している。

5

2: 印環細胞癌

細胞は孤立・散在性に出現し、核縁不整、核小体の明瞭な異型細胞を認める。標本はPAS反応で、核は偏在し胞体内にPAS反応陽性の粘液物質を認める。類似する細胞として組織球、反応性中皮細胞があげられるが、鑑別にはPAS反応が有効である。

6

4：消化管間葉系腫瘍（GIST）

結合性のない多数の類円形〜紡錘形の核を有する細胞を認める。細胞質に乏しく、核クロマチンは淡い。以上の所見から、非上皮性腫瘍が考えられる。従って設問の1:大腸癌の転移 2:扁平上皮癌 5:ブルンネル腺過形成等の上皮性疾患は否定される。結核とする壊死や類上皮細胞や多核巨細胞は認められない。

7

3：ランブル鞭毛虫

西洋梨形を呈し、小型淡染した原虫の虫体がみられる。2個の核を有し、後方に向かう鞭毛が認められる。ランブル鞭毛虫は大きさ5～20μm､後端のとがった西洋梨形で､2個の核をもち、左右対称に4対8本の鞭毛を有する。スライドでは鞭毛の4対8本は、不明瞭である。主に嚢子形虫体を経口摂取することで感染・寄生し、腸内､胆道に栄養型で増殖する。

8

3：尿路上皮癌（High grade）

深層型の尿路上皮細胞に類似した異型細胞が乳頭状構造を呈し出現している。集塊を構成する細胞は、核クロマチンの増量、核小体を認め、やや大小不同を示す。また、集塊からのほつれを認め結合性の低下を認める。

9

5：リンパ球性頸管炎

小型の類円形細胞が、孤立性に集簇して出現している。大小不同はみられるものの、核溝やくびれ像等の核形不整はみられない。成熟リンパ球が主体であり、好中球・貪食組織球も散見される。

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